児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

非公然陳列行為は罪にならない。

 「提供」の定義からしてこれは提供罪にはなりませんよね。非公然陳列行為。福岡高裁那覇支部H17.3.1参照。
 くだらない取材が来たら「犯罪になるという弁護士もいる」って言ってやろう。

http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/2007/04/u15_9t_ad54.html
記者) なるほど、それでは、実物をご覧頂いてご意見を伺わせて頂けますでしょうか。(と言いつつ、カバンの中から紙封筒に入った写真集?を取り出そうとする)
山口) ちょっと、待って下さい。それを出すのは止めて欲しいのですが。
記者) (手を止めて)何故ですか?
山口) 2004年の法改正で「提供罪」というのが新設されました。児童ポルノ法の第7条1項です。「提供」というのは、「特定かつ少数の者に対する提供行為も含みます。従前の『頒布』行為が不特定又は多数人に該当することを意味しているよりも、処罰範囲が広いのです。」
記者) ???
山口) 要するに、あなたの持っているその写真集の中に「児童ポルノ」と言える写真が含まれていた場合、それを僕に見せた記者さんも「提供罪」に問われるということです。
記者) えっ?!そうなんですか。
山口) そうです。児童ポルノを他人に見せたり、渡したりするだけで、「提供罪」は成立します。ついでに言えば、「提供する」目的で所持すること自体が犯罪ですから、その写真集が「児童ポルノ」だとすると、記者さんは、それを僕に見せる目的でここまでお持ちになった、それだけで、既に犯罪者なのです。

 実務的には、児童ポルノの定義は広がるところまで広がっていますので、何でも児童ポルノですね。驚きません。
 量刑軽い+解釈の不徹底+被告人の弱気が原因でしょうか。