大阪高裁H18.10.20
なお,原判決は,原判示1から3までについて,児童買春等処罰法7粂4項・5項違反の罪を認定しているにもかかわらず,提供の相手方が不特定又は多数の者であることを明示的に判示していない。もっとも,原判決は,(わいせつ図画販売等の関係で)「販売して提供し」あるいは「販売・提供する目的で」と判示しており,そこにいう「販売」の意味として,不特定又は多数の者を相手方とすることが読み取れるから,原判示1から3までが,児童買春等処罰法7条4項・5項違反の罪としての明確性を欠き,違法であるとはいえないが,それらの罪を認定する場合には,提供の相手方が不特定又は多数の着であることを明示的に判示することが望ましい。
公訴事実は児童ポルノについても旧態依然「販売した」となっていたので原審の冒頭でご注意申し上げたんですが、控訴理由にするのもどうかと思って黙っていたら、控訴審判決で注文が付きました。
原判決
(罪となるべき事実)
被告人は,
1 平成年月日ころ,Aに対し,郵送の方法で,18歳未満の者である児童が他人と性交等をしている姿態をビデオカメラで露骨に撮影録画した,児童ポルノであるとともにわいせつな図画である「」等が収録された媒体を,代金 円で販売して提供し,
2同月日ころ,Bに対し,に対し,郵送の方法で,18歳未満の者である児童が他人と性交等をしている姿態をビデオカメラで露骨に撮影録画した,児童ポルノであるとともにわいせつな図画である「」等が収録された媒体を,代金 円で販売して提供し,
3同月日ころ,方において,前記同様の児童ポルノであるとともにわいせつな図画である「」等が収録された媒体を販売・提供する目的で所持したものである。