児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

便所の入口扉の施錠を外して開扉し,同便所内で用便中であった女性の姿態を背後から眺め,同女をしてその姿態を自己の面前にさらすことを余儀なくさせた行為を強制わいせつとした事例(釧路地裁h14.2.28)

 強制=暴行脅迫というのは、どこにあるんでしょうか?

第176条(強制わいせつ)
十三歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

高見成美「強制わいせつ罪の成否が問題となった事例」捜査研究No.663 '06.09

③ 強制わいせつ罪等について有罪とされた事例(平成14年2月28日宣告(同年3月15日確定),釧路地方裁判所判決)。
被告人が.平成13年11月1日,被害女性(当時21歳)がコンビニエンスストアの便所内に入るのを見て,同女の用便中に同便所入口扉を開扉することにより,同女の姿態を自己の面前にさらさせ,その姿態を眺めて自己の性的欲求を満足させようと企て,同便所の入口扉の施錠を外して開扉し,同便所内で用便中であった同女の姿態を背後から眺め,同女をしてその姿態を自己の面前にさらすことを余儀なくさせ,もって同女に対し,強いてわいせつな行為をした
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③の事案では,「相手方が用便中であろうという認識のもと.その姿態を眺めて自己の性的欲求を満足させる目的で,相手方が施錠した扉を開錠して開扉し,その用便中の姿態を眺め,相手方をしてそれを自己の眼前にさらすことを余儀なくさせる行為は,自己の性的欲求を満足させるため無理やり相手方の着衣を引き下ろしてその姿態を眺める行為と同等のものと評価できるから.強制わいせつ罪のわいせつ行為に該当し,かつ,同罪の暴行にも該当する」旨判示している。