児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

アイコラ画像の投稿を黙認したことを名誉毀損とした事例(東京地裁H18.4.21)

 削除義務の根拠を聞いてみたいところです。
モーニング娘のときは罰金でしたけどね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060421-00000094-kyodo-soci
アイコラ掲載男に有罪 新山千春さんらの名誉棄損
 掲示板管理者の被告(26)に対し、東京地裁は21日、懲役1年、執行猶予3年(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。

 柴田誠裁判官は「広告料目的で精巧な合成写真の投稿を黙認した。
共同通信) - 4月21日11時54分更新

文献
渡邊卓也「電脳空間における盗撮画像等の公開と名誉毀損罪」社学研論集(早稲田大学大学院社会科学研究科、2004)
前田雅英罪刑法定主義と実質的構成要件解釈」現代刑事法
木村光代「盗撮と名誉毀損罪」現代刑事法04'07.
浦田検事「盗撮と名誉毀損罪」警察公論2003.2

追記
 別に画期的な判決ではないですよ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060421-00000156-mai-soci
アイコラ>掲載のサイト管理者に初の有罪判決 東京地裁
被害者側代理人によると、アイコラ掲載による有罪判決は初めて。

追記
 名誉毀損罪で立件されている以上、わかりやすいアイコラだと法益侵害は小さく、わかりにくいアイコラだと法益侵害は大きいことになります。肖像権とかプライバシー権は、名誉毀損罪のメインターゲットではありませんから、そこを刑法で保護するためには別の構成要件を作るしかないです。

「判決は一部誤り」 アイコラ事件で芸能人側
2006.04.21 共同通信 (全331字) 
 芸能人側の弁護士が都内で記者会見し「判決のうち、偽物だから社会的評価が下がる恐れは低いとした点は誤りだ」と述べた。
 また、アイコラについて「アイドルもわいせつな行為をしているのではと連想させるのが目的で、名誉を傷つける。実際の被害者は五百人以上で、泣き寝入りしている」と訴えた。

追記0526
 この事件、いろいろ争われたようですが、
①通りすがり投稿者との共謀共同正犯
②各陳列行為は併合罪
という結論だそうです。
 児童ポルノ掲示板よりも厳しいですね。