児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「性器接触行為」と「性交類似行為」(法2条2項)

 性交類似行為の場合の犯罪事実(判決、起訴状)を見ていると、言葉足らずな印象があります。

 金沢支部の判決によれば、性器接触型の性交類行為による児童買春の場合には、 
   異性間の性交とその態様を同じくする状況下における,
   あるいは性交を模して行われる
   手淫・口淫行為,同性愛行為など
   実質的にみて性交と同視し得る態様
も主張・立証され、認定しないと、「性交類行為」の認定に欠けることになります。
 
 要するにそういう状況も主張・立証・認定せんとあかんということだ。

 推奨される記載例は・・・

 全裸になり、ベッド上で全裸のAに乳房性器を弄ぶ、性器に陰茎を押し当てるなどの性交類似行為をした

 性交こそしていないが、なんかそれと同等という酷い印象が出てるでしょ。
 証拠上、ここまで出て来ない場合は、「性器接触行為」として処理してください。

第2条(定義)
2 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。

名古屋高等裁判所金沢支部平成14年3月28日宣告
 また,所論は,児童買春処罰法2条2項の,性交等の定義の中の「性交類似行為」とは何かが漠然不明確であるから,同条項は憲法31条に違反するともいう(控訴理由第22)。しかし,その文言からすれば,その意義は,異性間の性交とその態様を同じくする状況下における,あるいは性交を模して行われる手淫・口淫行為,同性愛行為など,実質的にみて性交と同視し得る態様における性的な行為をいうものと解されるから,同条に違反し無効であるとはいえない。

東京高裁H16.2.19
論旨は,要するに,原判決は,罪となるべき事実第5及び第6として,被告人が,平成年月日,被告人方において,いずれも18歳に満たない児童であることを知りながら,当時13歳の二人の女児に対し,現金の対償を供与する約束をして,両児童に口淫させ一人の児童に対しては更に陰部をなめるとともに,両児童の陰部にバイブレーターを挿入するなどの性交類似行為をしたとの事実を認定判示した上,被告人の上記各行為が本法2条2項の「性交類似行為」に該当するとしているが,被告人のこれらの行為は「性交類似行為」ではなく,同項所定のいわゆる「性器接触行為」に該当するにすぎないのであるから,性的好奇心を満たす目的を認定していない原判決には理由不備ないし判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがあり,また,これまでの裁判例では,上記の被告人の行為はいわゆる「性器接触行為」とされてきたのであって,被告人のみ「性交類似行為」に該当するとするのは憲法14条,ひいて罪刑法定主義を定めた同法31条にも違反しており,法令適用の誤り,理由不備があるというのである。
しかしながら,原判決認定に係る児童に口浮させる行為,児童の陰部をなめる行為,その陰部にバイブレーターを挿入する行為が関係証拠により明らかな行為の状況に照らして,単に性器等を触るにすぎないと解されるものではなく同法2条2項所定の「性交類似行為」に該当することは原判決が正当に説示するとおりである。所論は採用できず,もとより各憲法違反の主張も失当である。原判決には所論のような憲法違反はなく法令適用の誤りや理由不備もない。論旨は理由がない。