児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童ポルノ法違反:日赤に200万円寄付し猶予判決

 犯罪収益を吐き出すのはいいことだと思いますが、収受罪とかありますので、寄付先に迷惑にならないように。
 多額の寄付をした割に、求刑・量刑重いと思います。実刑を恐れるくらいの悪質な事例かもしれません。

 提供罪(販売罪)で「多くの子供の人権を傷つけた」というのは、個人的法益説が伝播しているということで好感。
その割に、(包括)一罪だったりするとガッカリ。児童福祉法違反(淫行させる行為)と児童ポルノ製造罪を一罪にしてくれる裁判官(家裁横須賀支部)もいますから。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20050805k0000m040165000c.html
弁護側はこの領収書を情状証拠として提出。6月の判決で裁判官は「ロリコン趣味で多くの子供の人権を傷つけたことを忘れないように」と述べ、懲役2年、執行猶予3年(求刑・懲役2年)を言い渡した。

贖罪寄付の評価については、

量刑判断の実際

量刑判断の実際

の原田さん(mac判決でお世話になりました!)によれば

P16
+ より深い反省・不正に得た利益を社会に還元する
− 貧富の差によって刑の軽重を生じるおそれ

P70
被告人の反省の態度を示す一方法としてその限度で有利な情状。
法律扶助制度への国民の理解を得るためにも量刑理由で言及すべし

P212
経済力がある被告人が痛くもかゆくもない多額の金額を寄付をすれば軽くなると言うのではまさに、金で刑を買うことになる。

P235
控訴審段階では原判決の後の情状として前面に出るため、贖罪寄付をしたから刑が軽くなったという印象が強くなりがちである。

という扱いらしい。