児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

ネット上の違法・有害情報対応を考える研究会

 児童ポルノも扱ってくれるんですか?
 現行法でも不注意なプロバイダーを正犯か共犯として扱えば済む問題ですよね。インドみたいに。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050728-00000088-zdn_n-sci
総務省は、ネット上で流通する児童ポルノや麻薬販売といった違法な情報や、暴力画像やアダルト画像など特定の人にとって有害になりうる情報、爆破物製造法や自殺を誘発する情報などが大きな社会問題になっているとし、ネットの健全な発展を促進する観点から、対処法を検討するとしている。


追記

http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050728_5.html
1開催趣旨
インターネットの急速な発達・普及は、利用者である国民に大きな利便性をもたらす一方で、インターネット上における違法な情報(児童ポルノ、麻薬販売等)や、特定の者にとって有害と受け止められる情報(アダルト画像、暴力的画像等)、公共の危険や生命に対する危険を引き起こす原因となる情報(爆発物の製造・使用、自殺等を誘発する情報等)等の流通が大きな社会問題になっています。
電気通信事業を所管する総務省としては、インターネットの健全な発達を促進する観点から、このようなインターネット上の違法・有害情報の流通への対応の在り方が大きな課題となっています。
このため、有識者及び電気通信事業者等から構成される研究会を開催し、インターネット上の違法・有害情報への対応の在り方について、幅広く検討することとします。

2検討事項
(1)インターネット上の違法・有害情報へのプロバイダ等による自主的対策
(2)プロバイダ等による自主的対策を効果的に支援する制度・方策

 ところで、裁判所によると児童ポルノについても情報とかデータ自体は違法ではありません。

名古屋高裁金沢支部平成17年6月9日
4画像データが児童ポルノであり,ハードディスク等が児童ポルノではないとの所論について(控訴理由第10)
所論は,児童ポルノとされるのは画像データそのものであるのに,原判決は,ミニディスク,メモリースティック,ハードディスクという有体物を児童ポルノと認定したのは,法令適用を誤っているとする。しかし,法2条3項は,「児童ポルノ」とは,写真,電磁的記録に係る記録媒体と規定しているのであるから,記録媒体が児童ポルノであるのは明らかである。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律2条
3 この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの

 要するに、総務省としては違法なのは情報だと思っているのに、実体法や裁判所は媒体が違法だと考えているわけで、総務省だけががんばっても立法府や裁判所がついてこないので何もできないような気がします。