児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

わいせつ行為の米兵を起訴 携帯電話で撮影も

 姿態をとらせれば、3項製造罪なんですけど、「強制」なら姿態をとらせたことにならないんでしょうか?
 それとも3項児童ポルノ製造罪の実行行為(撮影行為)を強制わいせつ罪で評価するんですか?
 「わいせつ行為」は無限定ですから含めないことはないですが。違う法益を侵害してないか?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050724-00000054-kyodo-soci
沖縄市の民家の駐車場で女児の体を触り、上半身を携帯電話のカメラで撮影するなどのわいせつな行為をした。

追記
 一般に前提となる性犯罪(買春、児童福祉法違反、強姦)と児童ポルノ製造罪とは併合罪とされています。姦淫行為と撮影行為は違うだろうということで。
 強制わいせつ罪については撮影行為そのものがわいせつの意図の発現であるとすると、製造罪は強制わいせつに吸収されるか、強制わいせつと観念的競合になる可能性もある。

強制わいせつ被告事件
静岡地裁浜松支部平成一一年(わ)第二〇九号
平成一一年一二月一日判決
       主   文
被告人を懲役二年六月に処する。
未決勾留日数中一二〇日を右刑に算入する。
       理   由
(罪となるべき事実)
 被告人は、平成一一年四月二五日ころ、静岡県浜松市〈番地等略〉五階駐車場に駐車中の普通乗用自動車内において、甘言を用いて誘い出したA子(当一一年)およびb子(当八年)に対し、同女らが満一三歳未満であることを知りながら、「ゲームボーイを買うお金をあげるから、裸の写真を撮らせて。」などと申し向け、同女らをしてその着衣を脱がせて全裸にさせたうえ、同女らの陰部等の写真を撮影し、もって一三歳未満の婦女に対しわいせつな行為をしたものである。

 そこで、強制わいせつ罪の訴因に「撮影」が含まれる時は、冒頭段階で求釈明などによって児童ポルノ製造罪が起訴されているのかを明確にする必要がある。起訴されているとすれば、訴因不特定を主張する。
 さらに、別罪として製造罪が起訴された場合には、弁護人としては、「製造罪は強制わいせつに吸収される」と主張すべきである。