児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「小学生と援助交際」の報道。

 何気なく「当時小学校六年の女子児童(12)を」って書いてますが。
 もう驚かないですか?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050520-00000039-san-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050520-00000796-jij-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050520-00000094-kyodo-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050520-00000306-yom-soci
 渋谷じゃ珍しくないですか?

 さらに、こういう報道もあります。

http://jyoho.kahoku.co.jp/member/news/2005/05/20050520t33033.htm
12、13歳の妹に売春させる 容疑の女逮捕 岩手

 岩手でも?

 そういう時代なんでしょうか、時々相談を受けることがありますが、
 被害児童の年齢を知っていた場合には、最初から強姦・強制わいせつ事件として弁護する必要があります。
 被害児童の年齢を知らなかった場合には、強姦・強制わいせつ事件に発展する危険がありますから
  「12歳と知っていたんだろう!」
  「小学生、好きだよな!」
  「もし小学生と知っててもやってただろう!」
という追及に耐え、「年齢不知」を強力にアピールする必要があります。

 いずれも、被害児童が12歳以下であれば、結果としては、強姦・強制わいせつの結果が発生しているわけですから、そういう量刑になります。
 くれぐれも、「罰金にしてくれ」なんて頼まないでください。



 12歳との児童買春については、強姦罪・強制わいせつ罪と買春罪との法条競合の問題があります。

園田寿「解説 児童買春・児童ポルノ法」p22
3 行為客体は18歳末満の児童であるが、児童の側において少なくとも「対償」や「性交等」の実質的な意味を理解していることが必要
であろう。そのようなことが理解できないような低年齢の児童に対して児童買春行為を行う場合は、児童買春等に該当せず、刑法上の
強制わいせつ罪や強姦罪あるいは児童福祉法上の罪の成立のみを認めるべきであろう。

安富説は、観念的競合でしょうか?

安富潔「特別刑法の諸問題」捜査研究No,608
もっとも、強姦罪や強制わいせつ罪は親告罪であることから告訴が必要であるが、児童買春等処罰法違反の罪は非親告罪とされている。これは、犯罪の性質上、強姦罪や強制わいせつ罪は訴追し処罰することにより被害者の精神的苦痛等の不利益が増すことが考えられることから、被害者保護の観点で親告罪としたものであるのに対して、児童買春罪は、加害者やその背後の組織の報復をおそれて告訴できなかったり、保護者への金銭の支払いで示談して、告訴を取り下げたりするようなことが考えられ、親告罪とすることによって、かえって児童買春の相手方となった児童の保謹や、児童を性欲の対象としてとらえる風潮の抑制、児童一般の心身の成長への重大な影響の防止を十分に図ることが困難となるという理由によるものとされる

木村説は法条競合

木村光江「児童買春処罰法」(ジュリスト1166号)
13歳未満の者との買春行為(あるいは14歳以上の者に対償を供与したが児童本人の同意がない場合)は、強制わいせつないし強姦罪にも該当し、法条競合として重い強制わいせつ、強姦罪が成立する