児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童ポルノ販売目的製造罪の量刑

 起訴3罪、余罪30罪くらいの被告人とお話しする機会があって、当人の予想する量刑を聞いたら
    刑事さんによれば、
    「懲役10月〜1年 執行猶予3年くらい。実刑は聞いたことがない」というので
    それくらいだと思います。
と言ってました。

 その刑事さんに悪気はないのかもしれないけれど、そんなに軽いことはないと思います。
    国選弁護人とよく相談するように
    量刑もよく調べてもらうように
    慎重に審理してもらうように
    証拠はよく検討するように
アドバイスしました。

    懲役10月〜1年 執行猶予3年くらい。
だと、末端の販売犯よりも軽いよね。

 
 販売者(非撮影者)が販売目的でダビングすること・印刷することは販売目的製造罪に他ならないのですが、これは滅多に立件されません。
 製造罪については、被害児童がどこの誰という人定事項が特定ができないと立件されていると理解されている方がいるかもしれませんが、それは誤解です。
 個人的法益説においても、児童ポルノ製造罪の立件に、必ずしも、氏名や本籍による被害児童の特定は必要ありません。必要なのは、年齢(18才未満)と、甲・乙を区別する特定(人相・着衣・身体的特徴など)です。被害児童の人定が取れなくても販売罪で立件しているのだから、製造罪も可能です。

 ある製造事犯の例では、犯人らは出会い系サイトやモデル募集掲示板で児童のビデオのモデルを募集して、
被害児童らは律儀に履歴書を持参して、「契約書」や「誓約書」や「報酬振込先」を書かされて撮影に臨んでいたので、製造者宅を捜索したとたんに、被害児童も特定されたことがありました。