児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

性犯罪者処遇は刑罰論から

 昔から言われている問題なんだけど、かわってませんね。

http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/boryoku/gijiroku/bo32-g.html
第32回男女共同参画会議女性に対する暴力に関する専門調査会議事録
1 開催日時:平成17年2月28日(月)14:00〜16:00

○森本法務省大臣官房秘書課付 幾つか問題が入っておりますので、そのポイントを分けて若干御説明と、あとは今後のことについてお話をしたいと思います。
 まず、社会内処遇も含めて、まさに入った人よりも入らない人の方が多いんだからという点の重要性というのはおっしゃるとおりだと思っております。その中で、今まず法務省ができることという意味でいくと保護観察になったような人たちをどうするかも含めて、2月22日に大臣が、それ以前にも各局に指示をしておりまして、それの大体の取りまとめとして性犯罪者という一般的な切り口になるのですが、多角的な調査研究をしなさいということで、中に入っている人はもちろんですけれども、保護観察の類型別処遇、保護観察に付されている人に対してどうなっているのかということも含めて、あらゆる所管の部分について研究をしなさいということで、法務省の研究機関として法務総合研究所という研究機関がありますが、この4月からまず調査研究を行って、何が望ましいのかということを研究する。
 更に、それと合わせて先ほど申し上げましたような矯正教育、刑務所の中におけるプログラムと合わせて保護観察でも何ができるのかということについて、性犯罪者処遇に関するという形にはなるのですが、再犯防止プログラムというものを研究して策定するということを大臣の指示でまずすることになっております。
 そこは非常に大きな問題だと思っておりまして、取り組んでいきたいと思っておりますが、これは住田委員がおっしゃられたところにつながるのですが、今の制度的な問題として、例えば保護観察も我々がこの人は保護観察がいいよねと言って付けられるものではなくて、警察が例えば逮捕する。それで、検察が起訴するか、しないか。ここに一つのスクリーニングがかかって、検察が起訴した後に裁判所に行き、裁判官が最後に保護観察が必要であるというふうに懲役刑ないし禁固刑を決めるときに、執行猶予にした上で保護観察に付するという裁判所の判断があって初めて保護観察という制度が基本的には成人の場合にはスタートする。そういう前提に立ちますと、いわばそこはだれが対象者になるかというのは受け身というか、保護観察に裁判で付いた者だけにしかそこの枠がはまらないわけです。
 そこに入らなかった人たち、保護観察の付かなかった人たちをどうするのか。更には、住田委員がおっしゃられたように満期で出てきた人、仮釈放にもならなくて満期で出てきたような悪性が染み付いている人たちをどうするのか。更に、保護観察期間というのは比較的短い場合が多いので、保護観察の満了後の時点でどうするのかという問題は、現状の仕組みを前提にして申し上げますと、非常に素っ気ない言い方になってしまって恐縮なのですけれども、法律的には我々は何も施す権限はないというのが現状であるということはまさに皆さん御理解いただいているとおりでございます。
 そこまで含めますと、刑事制度全体をどうするのか。刑罰というのはそもそも何なのか。裁判でここまで懲役で入っていなさいと言われただけが刑罰なのか。それとも、その後、改善、更生までしていくプロセスまで含めて刑罰とか、あるいは国家として教育、矯正プログラムというものを考えるのかという大きな話になりますので、これはDVとか、一つの犯罪の切り口にとどまらずにそこまで含んだ大きな問題であって、取り組んでいかなければならない問題の一つであると思っていますが、そう簡単にはいかないであろうと思っています。