「柔和な警察職員」って?
みなさん、柔和な方ばかりですよね。
http://www.pdc.npa.go.jp/pub_docs/notification/seian/seikan/seikan20040816.pdf
各管区警察局広域調整部長
警視庁生活安全部長殿
各道府県警察(方面)本部長
原議保存期間5年
(平成21年12月31日まで)
警察庁丁生環発第226号
平成16年8月16日
警察庁生活安全局生活環境課長
人身取引被害者の取扱いについて
近時、人、特に女性及び児童の人身取引事案については、重大な人権侵害行為であるとともに、犯罪組織の資金源となっているとして、国際的に大きな問題とされつつあるが、我が国においても、いわゆるブローカー等のあっせんにより入国した外国人女性等(児童を含む。以下同じ。)が、諸経費名目で高額の債務を負わされ、売春又は性的労働(以下「売春等」という。)を強要される事案等が依然として発生している。
これらの外国人女性等については、交番、警察署等へ保護(相談を含む。)を求める事案があることから、当該事案の対応要領を下記のとおり定めたので周知徹底されたい。
記
1保護要請があった場合の措置
(1)事情聴取
交番、警察署等において、外国人女性等から保護してもらいたい旨の申し出があり、その者が人身取引被害者である可能性が認められる場合には、警察署又は警察本部の相談室等において事情聴取を行うこと。
なお、事情聴取に当たっては、外国人女性等は、ブローカー、雇用主からの威迫等により精神的に不安定になり、また、警察に不信感を抱いていることも多いので、次の点に配意すること。
①事情聴取にはできる限り当該外国人女性等の母国語を解する警察職員を充てること(被害者が女性である場合、可能な限り、女性職員を充てること。)。
②事情聴取を行う警察職員は、柔和な態度で接するなど外国人女性等の不安感の払拭及び警察への信頼感の醸成に努めること。
③通訳の選定等についても、①、②の点に配意すること。
(2)婦人相談所等への保護依頼
(1)の事情聴取の結果、外国人女性等が人身取引被害者であると認められる場合には、婦人相談所、関係ボランティア団体等に対し、当該外国人女性等の保護を依頼するとともに、当該外国人女性等の国籍国の大使館又は領事館に状況を連絡すること。ただし、外国人女性等が通常、売春等の強要に付随して行われることとなる犯罪(資格外活動や不法残留等)以外の犯罪の被疑者でもあるなど警察において当該外国人女性等の身体を拘束する必要性がある場合を除く。
(3)保護依頼を行うに当たっての留意事項
ア婦人相談所、関係ボランティア団体等に保護の依頼を行うに当たっては、担当者と相互に情報交換を行うなど連携を強化し、被害者の安全確保の徹底を図ること。また、人身取引事犯の早期解明を図るため、被害女性等からの事情聴取が迅速かつ適正に行うことができるように調整すること。
イ保護を依頼した婦人相談所や関係ボランティア団体等の名称、所在地等の保護施設に係る情報については、被疑者等からの嫌がらせ、連れ戻し工作等が行われることを防ぐため、公表しないこと。また、部内でもこれらの情報の共有は関係者に留めること(ボランティア団体は、通常、保護施設の住所、電話番号等を公表していない。)。
り婦人相談所は一時保護(原則2週間程度で運用)を行う施設であることに留意すること。
(4)参考事項
厚生労働省からは、別添のとおり、都道府県関係部(局)長に対して人身取引被害者の婦人相談所への入所措置について指示がなされている。
2捜査部門への事案の引継と捜査の徹底
人身取弓l被害者であると認められた場合には、国外のブローカー組織との接触の経緯、パスポートや査証の入手経緯、我が国への入国のルート等、その組織的背景について詳細に聴取した上で取締り部門に情報を引き継ぎ、雇用主、暴利を貴る悪質な国内外のブローカー、その背後で暗躍する犯罪組織への突き上げ捜査を徹底すること。
3報告・連絡
前記1の保護要請がなされた場合には、警察庁生酒環境課に報告し、同課と緊密な連携を取りながら対応すること。