児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

知的財産権の刑法的保護

 winnyの開発にも共通しますね。

荒川雅行「知的財産権の刑法的保護」法と政治(関学)40-4'89.12.20.

以上で半導体保護法の制定過程および内容をその刑罰規定を中心に概観したわけであるが、つぎにこれらの点について若干の考察をくわえておきたい。
三・一立法理由
まず半導体保護法の立法理由については、すでにのべたように回路配置開発に要した投資が適切に回収できるかという、いわゆるコスト論が重要な位置を占めていたようにおもわれる。なるほど回路配置の開発にかぎっていえはそのとおりかもしれないが・そのことが知的財産権一般についてまでいえるかはかなり問題である。なぜなら、分野によってはたいした関空ストをかけザに膨大な利潤をあげるようなばあいも存在するであろうし、また逆にきわめて莫大なコストをかけたにもかかわらず、まったく利益をあげられなかったようなケースもありうるわけで、このようなきわめて不確実な回収予禦つきものだからである。このような不確実なリスク 田をも計算覧れた価格決定を甘受せざるをえないのが、われわれ消費者の立場であるといえるが、はたしてそようなきわめて曖昧なコスト論で法的保護、とくに刑事規制が正当化されるかは疑問である。さらに、知的財産権の保護とくにその刑法的保護を強化することによって、開発者の研究開発意欲を促進し、ひいては産業界全体の発展につながるといえるかも問題である。すでにみてきたように半導体開発の分野においても、本来自由競争を通じて発展せらるべき分野に行政指導による国家の介入がきわめて顕著である。介入の度合いが強すぎると、逆に開発意欲が損なわれることもありうるからである。
三・二 権利侵害
まず、回路配置利用権および専用利用権の侵害および侵害のおそれがあるはあいには、その差止請求権がみとめられ、さらにこの請求にさいし侵害行為を組成した半導体集積回路または侵害行為に供した物の廃棄その他の侵害の予防に必要な行為も請求することができる(二二条)。このような強力な差止請求権が規定されたにもかかわらず、たとえ親告罪規定であるにせよ、はたして利用権侵害にたいする刑事罰まで必要とされたかは、はなはだ疑問である。さらに権利侵害行為のみなし規定にたいしても刑罰が科せられるわけであるが、このような間接的な法益侵害にまで刑法的保護をおよぼすべきかについては問題の存するところである