児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

スーパーの男子トイレで盗撮、中学教諭を逮捕(読売新聞)

http://newsflash.nifty.com/news/topics/sex_offense/ts__yomiuri_20040622i203.htm
http://newsflash.nifty.com/news/topics/sex_offense/ts__jiji_22X433KIJ.htm

 条例違反でも、軽犯罪法違反でも、窃視罪の場合は、自白事件もで、公判段階で
   撮影したけど、まだ見ていないから、既遂ではない
という抗弁をしてみてはどうか。
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20040505#p3
 情状にも影響あるだろうし。

 骨のある盗撮犯人はおらんか?

参考文献

普通のカメラによる写真撮影行為につき、伊藤栄樹・軽犯罪法171頁、伊藤卓蔵・軽犯罪法71頁、警察庁刑事局判例中心特別刑法33頁

(過料9000円 懲戒免職 裁判官夏井高人)

【事件番号】気仙沼簡易裁判所判決/平成3年(ろ)第12号

【判決日付】平成3年11月5日

1 被告人の本件犯行は、スーパーマーケットの来客用女子便所内に入りこみ、隣の便所との間の仕切板の下側にある約六センチメートルの隙間から便所内の女性の排泄行為を撮影すべく、八ミリビデオカメラをセットして床に置き、その姿態を撮影録画したというものであり、被告人が直接肉眼で隣の便所内をのぞきこんだわけではない。しかしながら、軽犯罪法一条二三号は、プライバシーの権利の保護を目的とするものであるところ、実質的に見て、肉眼による場合とビテオカメラを用いた撮影録画による場合とで、プライバシーの侵害の有無に何らかわりはない。むしろ、肉眼による場合には、便所をのぞきこんだ犯人の記憶も希薄化し消滅することがあり得るのに奔し、便所内の女性の姿態等が録画されたビテオテープは、何度でもそれを再生することが可能であるばかりか、録画したテープを多数複製することが可能であるので、それによる被害が広がってゆくことがあり得るのであり、ビテオカメラによる撮影録画によるプライバシー侵害の程度は、肉眼によるのぞきこみ行為よりも著しいものというべきである。

他方、軽犯罪法一条二三号は、犯人の行為の動機及び行為の結果としての好奇心の満足等を犯罪構成要件とはしておらず、単に、のぞきこみ行為が存在し、それによって被害者のプライバシー侵害の結果が発生すれば、犯罪として既遂に達するものと解すべきである。ところで、本件では、被告人は、ビテオカメラで録画した内容を再生して見る前にスーパーマーケット従業員に犯行ヲ発見され、取り押さえられたため、その録画内容を見ないままであるが、隣の便所内の様子の録画行為それ自体によって被害者のプライバシー侵害が発生している以上、被告人の本件犯行は、既遂に達していると判断する。

 したがって、被告人の本件犯行は、軽犯罪法一条二三号所定の便所内をひそかにのぞきこむ行為の既遂罪に該当するものと判断する。

【参考文献】判例タイムズ773号271頁

大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例

http://www.police.pref.osaka.jp/sogo/law/04_1.html

(卑わいな行為の禁止)

第6条

 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。

一 人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物において、衣服等の上から、又は直接人の身体に触れること。

二 人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている人の身体又は下着を見、又は撮影すること。

三 みだりに、写真機等を使用して透かして見る方法により、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている人の身体又は下着の映像を見、又は撮影すること。

四 みだりに、公衆浴場、公衆便所、公衆が利用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所における当該状態にある人の姿態を撮影すること。

五 前各号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさえるような卑わいな言動をすること。

第11条

 次の各号の一に該当する者は、6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

一 第2条の規定に違反した者

二 第6条の規定に違反した者

2 常習として前項の違反行為をした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

軽犯罪法

第1条〔軽犯罪〕

左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。

二十三 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者