児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

研修'04.5no.671「いわゆる迷惑防止条例違反の成否が問題となった事例」中村孝

 盗撮という新手の痴漢行為がまじめに議論されています。

Ⅹ女の足の膝下部分のみが床面とほぼ並行に撮影されていた。さらに,被疑者から押収したビデオテープを見分したところ,Ⅹ女以外の女性を盗撮したと思われる映像もあったが,いずれも,女性の膝下部分のみを撮影したものであった。
以上の客観的事実を下に,被疑者を取り調べたところ,被疑者は,「自分はいわゆる足フェチであり,特に女性の膝下が好きで,膝下だけを狙って盗撮した。」旨供述したものであり,前記客観的証拠関係からすれば,被疑者の供述は真実であると認められたので,前記被疑事実のとおり認定したとのことであった。

この点,研修員の意見としては,被疑者は女性の膝下を撮影することで興奮を憶えるのであり,かつ,撮影されたⅩ女も非常に恥ずかしい思いをしているのであれば,「卑わいな言動」に該当するといえるのではないかという意見(積極説)もあった。
しかし,そもそも膝下というのは,スカートを履いた女性が誰でも露出して歩いている部分であり,世間一般に露出されている部分を撮影することが直ちに卑わいな言動に当たるとは言い切れないのではないかという意見(消極説)が多かった。