児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童買春2罪・罰金50万円・懲戒免職

 2罪で罰金というのは軽かったですね。普通は公判請求されます。
  8/下旬 児童買春
  9/中旬 児童買春
  11/20 逮捕
  11/30 罰金50万円
  12/11 懲戒免職
 逮捕されてからは急転直下ですね。
 バレなきゃいいと思ってるんでしょうが、バレるときついですね。

わいせつ:少女に行為、職員を懲戒免職−−吉良町 /愛知
2007.12.12 毎日新聞社
 吉良町は11日、18歳未満の少女にみだらな行為をしたとして、県警に逮捕された主査を同日付で懲戒免職処分にしたと発表した。
 同町などによると、主査は今年8月下旬と9月中旬、専門学校の女子生徒が18歳未満と知りながら現金を渡してみだらな行為をした。11月20日に中署に児童買春禁止法違反容疑で逮捕され、30日に罰金50万円の略式命令を受けている。

青少年条例違反否認?事案

 ほとんどの自治体の青少年条例には「当該青少年の年齢を知らないことを理由として処罰を免れることができない。」という条例がありますから、児童買春罪にもそういう条項が入るかもしれませんね。

   過失児童買春罪
を作ったら、効きますよね。

女子高生にみだらな行為
2007.12.12 中日新聞社
 【岐阜県】県警少年課と岐阜中署などは11日、県青少年健全育成条例違反の疑いで容疑者を逮捕した。
 調べでは、容疑者は10月24日ごろ、羽島郡のホテルで岐阜市内に住む県立高の女子高生(17)が18歳に満たないと知りながら、みだらな行為をした疑い。同容疑者は「年齢は知らなかった」と否認している。

 岐阜県民や岐阜県にいる人は、性行為をする際に、年齢確認義務を負っていますから、「年齢は知らなかった」と言っても、特段の否認にはならないと思います。

http://www.pref.gifu.lg.jp/pref/s11124/houkishu/33590101003700000000/41990101000500000000/41990101000500000000_j.html
岐阜県青少年健全育成条例
第二十三条 何人も、青少年に対して、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対して、前項の行為を教え、又は見せてはならない。
第五十五条 第二十三条の規定に違反した者は、当該青少年の年齢を知らないことを理由として第四十八条の規定による処罰を免れることができない。ただし、当該青少年の年齢を知らないことに過失がないときは、この限りでない。

「相思相愛の抗弁」は「札幌高判平成19年3月8日札幌高裁刑裁速報167号」ですよね。

 問い合わせがありましたが、ボツねたの誤植です。
 http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20070308を読めば、札幌の話題になってるでしょ。
 こんなの速報で周知してくれている割には、東京高裁で「どの裁判官が書いたのか。わしは併合罪だと思う。併合罪だといえば併合罪だ。多めに減軽しとくから上告はするなよ。」という判決も出ています。
 最高裁はどうなんですか?少年法37条の廃止をこっそり諮問に入れてるようですが。

http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20070429/p1
04月29日(.Sunday)
■[司法]中学教師と生徒の「相思相愛」の主張が認められず,教師が有罪になった事例
札幌高判平成19年3月18日札幌高裁刑裁速報167号
その生徒の裸の写真を撮ったりした児童ポルノ製造罪です。
相思相愛の関係にあって,社会的相当性があれば,無罪でした。
しかし,生徒の保護者の許可を得ておらず,保護者からの抗議があったことなどから,社会的相当性がないとしています。

裁判例引用は判例タイムズ・判例時報じゃなくて、最高裁判所刑事判例集・大審院刑事判例集じゃなきゃだめだよ(捜査研究)

 へ〜
 こっちは未公開裁判例でやってるんですけど、どうしろと・・・。

清水 真「文献紹介152 『Q&A類型別刑事弁護の実務』三木祥史編著」捜査研究 第678号
3 以上概観したように,本書は法科大学院教育・司法修習,更には弁護士登録後のOJT(OntheJobTraining)の各段階に対応可能な刑事弁護の手引であり,決して過度に戦闘的・イデオロギー的なものではなく,中庸を得た良書であると言える。
とはいえ.幾つかの点で疑問を感じない訳でもない。第一に.裁判例を引用する際に刑集民集登載判例判例時報判例タイムズで引用している箇所が目に付く。上告趣意書を書く上でち,刑集民集登載判例に関しては正しく引用することが不可欠であり.重版時に対処すべき課題である。

【法廷から】児童ポルノで傷負う少女たち

 最近、求刑重くなってますよね。
 量刑底上げして、法定刑を引き上げるつもりかもしれません。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071213-00000920-san-soci
 検察側は論告で、被告らが警察の摘発を逃れるためにHPを20件開設、入金のための郵便口座を7つ管理していたことや、その口座に1億円を超える入金があり、リーダー格の31歳の被告の報酬が約3500万円に上ったことなどを明らかにした。また、わいせつなDVDに映っていた女児が、4歳〜12歳であったことも明かした。
 それぞれの被告は被告人質問で、女児が性行為を強要される画像を初めて見たときの感想を聞かれ、こう答えた。
 31歳被告「最初に少女の画像を見たときは、さすがに辞めようと思った」
 30歳被告「ひどいことをしていると思った。見ていられませんでした」
 24歳被告「お菓子をもらってだまされて(行為に及び)、中には泣いている子もいた。かわいそうだと思った」
 いずれも、女児の苦しみを感じているかのような供述をした。
 一方で、いずれの被告もそうした思いに反して、犯行に加担し続けた。その理由は、
 24歳被告「正直、お金が欲しかった」
 23歳被告「自分でマンションを借りるためだった」
 借金返済などのための資金稼ぎの目的だったという。
 被告らは、検察官に「なぜ今回の件で、わいせつ図画販売目的所持などとは別に児童ポルノ禁止法で処分されるのか分かりますか?」と問われ、こう答えた。
 23歳被告「逮捕されたときは、分かりませんでした」
 48歳被告「単純にわいせつの違反としか考えてなかったので、最初(逮捕時)は理解できませんでした」
 31歳の被告は、同じ質問を受けてただ沈黙するだけだった。

 「被害を受けた少女らは、大人になってその意味が分かったとき、再び深く傷つくことがある」。検察官は、被告らに厳しい口調で指摘した。被告らには、女児が将来、さらに深く傷つくということが見えていなかったようだ。
 31歳の被告は、「インターネットを見て同じようなサイトがいっぱいあったので、捕まらないと思った。ロリータ系の方がよく売れた」と供述。実際、ネット上には同系列のDVDを通信販売するサイトがあふれかえっている。購入者もきっと、被告らと同様、時間が経つに連れて増す女児たちの心の傷に気付いていないのだろう。
 論告で検察官は、リーダー格の31歳の被告に懲役3年6月、罰金500万円という7人の中で最も重い求刑をした。判決は今月26日と27日、東京地裁で。

数回の製造罪は包括一罪

 被害者が1名でも数名でも包括一罪にしてくれる裁判例が多数ありますから、弁護人は主張してみてください。
 いわゆる援交もの(援交シリーズ)の事件でよく見られる罪数処理です。

 同一被害児童に対する数回の製造も、複数被害児童に対する製造も包括一罪となる。
 特に、提供目的をもって、反復継続される場合には一個の犯罪意図に包摂される。
①製造罪(撮影)と製造罪(複製)は包括一罪
 同一被害児童に対する数回の製造罪は包括一罪となる。
阪高裁H14
東京高裁H17
札幌高裁H19

②5項製造罪は被害児童数にかかわらず包括一罪
奈良地裁H18
札幌地裁H15
横浜地裁H13
前橋地裁H13
さいたま地裁熊谷支部H18
横浜地裁H18
横浜地裁H19
横浜地裁H19
和歌山地裁H14
神戸地裁尼崎支部H17
千葉地裁H14
大阪地裁H14
金沢地裁H16
長野地裁H17
岡山地裁H16

3項製造罪の論点

  前提性犯罪との罪数
  複製行為をどうやって3項製造罪(姿態とらせて製造)とするか
  数回の撮影・複製の罪数処理
判例も揺れている感じですね。
被告人は弁護人を選ぶことはできても、裁判所を選べないんですよ。しっかりしてほしいですね。

 罪数についてはわからないから細かく併合罪にしようとすると、複製行為に「姿態をとらせて」がないことになって処罰できなくなるんですよね。
 場当たり的に理屈を述べて有罪にしてくよりは、覚せい剤風に、細かく併合罪にするというところから出直した方が良いと思います。
 だめだめな立法というのはあるもので、立法がまずいところは裁判所が指摘しないとだめですよ。

阪高裁h19.12.4
 (2)所論は,各児童ポルノ製造罪について,被害児童の姿態を撮影したカメラを内蔵する携帯電話と,その携帯電話からのメールを送信した送信メールサーバー,さらにはこれを受信した受信メールサーバーが順次児童ポルノになったと考えられるのに,上記各罪にかかる訴因では,そのうちのどの客体を製造した点が本罪に該当するというのか明確でなく,訴因が不特定であるから,公訴棄却すべきであるのに,実体審理を行い有罪判決をした原審の訴訟手続には,判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続の法令違反がある,というものである。
 しかしながら,本件各訴因は,被告人が,被害児童に,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律 (以下,単に「法」という。 ) 2条 3項各号に掲げられた姿態をとらせ,これを携帯電話に内蔵したカメラで撮影し,その画像を電子メールで送信することにより,原判示のメールサーバーコンピュータ上の被告人のメールボックスに記憶,蔵置したとしており,同メールサーバーコンピュータを製造された児童ポルノとしているものであることは,その記載から明らかであるから,本件の訴因が特定に欠けるなどという非難は当たらない。
2 法令適用の誤りあるいは理由不備の主張について
 (1)所論は,原判示第 1,第 2,第 3及び第 5の各児童ポルノ製造罪について,携帯電話から送信メールサーバー,及び送信メールサーバーから受信メールサーバーに対する各メール送信行為は,実体としては,児童ポルノの複製行為であり,そこには,児童ポルノ製造罪の実行行為である法 2条 3項各号に掲げる姿態をとらせる行為が含まれていないのに,児童ポルノ製造罪の成立を肯定した原判決には,理由不備あるいは判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがある,というのである。
 しかしながら,原判決が,所論のいう複製行為の部分のみを取り上げて犯罪の成否を問題としているものでないことは前記 1( 2)でみたとおりであって,児童ポルノ製造罪の構成要件に該当する被告人の行為を具体的に特定明示して有罪とした原判決には理由不備の違法はもとより,法令適用の誤りも認められない。
 所論は,本件各画像が最終的に前記メールボックスに記憶,蔵置されるまでの過程で一時的に利用された携帯電話や送信メールサーバーをそれぞれ独立した製造物ととらえる見解に立って原判決を論難するものであり,原判決とは前提を異にする独自の主張であって,失当というほかない。
・・・・
(4) 所論は,最後に,原判示第 1,第 2,第 3及び第 5の各児童ポルノ製造罪は,製造したそれぞれの児童ポルノを記憶,蔵置させたメールサーバーが 1個であるから,一罪として評価されるべきであり,これらを併合罪とした原判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがある,というのである。
 しかしながら,被告人の本件各犯行により撮影された各画像は,最終的に同一のメールサーバーに記憶,蔵置されているとはいえ,それぞれの画像の製造過程には差異があることに着目すれば,同一機会に撮影,送信された複数の画像ごとにひとまとまりのものとして一罪とした上,これを他の犯罪とは区別して併合罪とした原判決に法令適用の誤りがあるとはいえない。

名古屋高裁金沢支部h17.6.9
1所論は,原判示第2の2の児童ポルノ製造罪について,
児童ポルノであるミニディスク3本,メモリースティック3本,ハードディスクの製造は,それぞれ別罪を構成し,併合罪であるが,公訴事実では一罪とされており,訴因の単一性を欠く,
②公訴事実には,ミニディスク,メモリースティック,ハードディスクの作成につき,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(以下,単に「法」という。)7条3項に規定する児童ポルノ製造罪の構成要件である「姿態をとらせ」に該当する事実が記載されていない,
③押収された4本のメモリースティックのうち,公訴事実に記載された3本がどれか特定されていない,
④公訴事実では,児童ポルノだと主張されている画像データが法2条3項何号に該当するのか特定されておらず,児童ポルノ製造罪についての公訴事実は,訴因不特定であるのに,公訴を棄却せず,実体判決をした原判決には訴訟手続の法令違反があるというのである。
2しかしながら,まず,所論①の点は,法2条3項において,電磁的記録に係る記録媒体が児童ポルノであると規定されていることからすると,記録媒体毎に児童ポルノ製造罪が成立すると考えるべきである(なお,所論は,メモリースティック3本を用いてハードディスクを製造する場合には3罪が成立するとするが,罪数判断に当たっては,製造行為を基準にすべきではなく,製造された記録媒体を基準に考えるべきであるから,ハードディスクの製造1罪が成立するにすぎない。)。しかし,一個の機会に児童に姿態をとらせそれを撮影等したものを元にして,その後,複数の記録媒体の製造を行った場合には,被告人の犯意が継続していると解される以上,包括して一罪と解すべきであり,これと同旨の考えに基づく公訴事実は訴因不特定であるとはいえないし,これと同旨の罪数処理をした原判決に違法はない。
次に,所論②については,確かに,公訴事実には,「姿態をとらせ」に当たる事実の記載がなく,それを明確に記載するのが望ましいとはいえるものの,平成16年10月20日付け起訴状では,第1で被害児童と性交するなどして児童買春をした旨の記載があり,それに引き続き第2の事実が記載されており,第2の罰条について法7条3項が挙げられていることからすると,被告人の言動等によって,当該児童が性交に伴う「姿態」等をとったことは,上記起訴状記載の公訴事実の記載から理解することができる。したがって,「姿態をとらせ」の文言が記載されず,それに該当する事実が明示されていなくても,訴因が特定されていないとはいえず,これをそのまま認定した原判決に違法な点があるとまではいえない。
また,所論③については,そもそも,公訴事実においてメモリースティックを特定する必要はなく,訴因不特定であるとはいえず,所論④も,法2条3項の各号毎に別罪が成立するものではなく,各児童ポルノについて,それぞれ何号に当たるかを網羅的に訴因に明示する必要はないから,訴因不特定とはいえない。3所論はいずれも採用することができず,論旨は理由がない。
・・・・
5ハードディスクの製造は児童ポルノ製造罪に該当しないとの所論について
所論は,被告人は,メモリースティックからハードディスクへ画像データをダビングしたものであるところ,ダビングの際には,「姿態をとらせ」の要件がないから,児童ポルノ製造罪には該当しないとする。しかし,そのように解した場合,カメラ等を使用して撮影した場合には,その画像が最初に保存される媒体(ネガ,メモリースティック等)のみが製造となり,そこから他に流通の危険性が高いと認められる媒体(写真,MO,CD−R,DVD−R等)やそれらを作成するため画像を長期間保存できる媒体(ハードディスク等)に画像をダビングする行為は製造罪には当たらないことになるが,それでは,他人に提供する目的のない児童ポルノの製造でも,流通の危険性を創出する点で非難に値するとして処罰規定を新設した法の趣旨が没却されるというべきである。したがって,被告人において,児童に「姿態をとらせ」て撮影したものを元にして,被告人自身が他の媒体へダビング等する行為は,法7条3項の製造に該当すると解すべきである。

 メール送信って、提供罪のはずでしたが、いつから製造罪になったんでしょう?

判例違反など絶対間違っているけど執行猶予がついた判決への対応

 「もうしません」と今は思っていても、過失犯などで執行猶予が取り消される危険性というのがあって、統計もあるし、弁護人も実体験がある。予測困難。
 そのときになって、前の判決は間違っていたと言ってもしょうがない。前の判決の執行猶予が取り消されて、今度の事件との足し算になる。
 上訴するかどうかは被告人の意思次第ですが、判決の問題点を指摘して上訴を勧めなかった点で弁護人の責任を追及されるといやなので、ちゃんと紙やメールに書いて説明することにしています。
 弁護人上訴して被告人に検討してもらって取り下げてもらうと手続上も明白になります。
 諸説でてきて難しい状況です。A説B説の裁判例を列挙して判断迫ったら、その判断を割愛してえらく軽くしてくれたこともありました。司法取引みたいでした。

性犯罪撲滅宣言】「再犯、常習者はエスカレートする」 早い段階で「厳罰」必要

 こないだ精神科で診察した被告人は「異常な性的嗜好なし」でしたよ。たくさん起訴されたのに。異常じゃないけど常習犯というのもいるのかもしれません。
 再犯危険性の診断なんて無理じゃないですかね。
 診断つかないけど原則「再犯危険あり」としておきますか?

http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/ibaraki/071213/ibr0712130320000-n1.htm
【性犯罪撲滅宣言】「再犯、常習者はエスカレートする」 早い段階で「厳罰」必要
2007.12.13 03:20
 本紙ホームページ「MSN産経ニュース」をみると、地方ニュースのアクセスランキングで上位を占めるのは、性犯罪を扱ったニュースばかり。情報の受け手に問題意識を持ってもらえたのか、単なる好奇心を満たしただけで終わってしまったのか。ニュースの発信者として気にかかるのは、性犯罪とその当事者に対する世間のまなざしだ。

 裁判所でも、窃盗罪や覚醒(かくせい)剤取締法などの公判より、強制わいせつ罪や強姦罪など、婦女暴行に関する公判に傍聴人が集まる。昨年のベストセラー「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」(北尾トロ著、文春文庫)では、「レイプの詳細を聞くことが傍聴男としての悲願」と、外国人の強姦事件の公判を喜々として傍聴する様子が描かれ、賛否両論を巻き起こした。
・・・・
 前出の小田教授は「性犯罪に手を染めた者は一定の期間をおいて犯行を繰り返し、エスカレートしていく」と指摘する。異常性愛は一種の中毒で、たばこや酒の量が増えるように、犯行もひどくなっていくという。

 そのため、「性犯罪に手を染めた者を早い段階で処罰することが大切。刑罰を受ける不快感が性衝動を抑圧するので、厳罰化は一定の効果が期待できる」(小田教授)。

日弁連コンピュータ委員会シンポジウム「2008P2Pネットワークと法的問題 〜Winnyをめぐって〜」

 このネタなら毎年とか隔年でできるんじゃないか。

http://www.nichibenren.or.jp/ja/event/080122.html
日時 2008年1月22日(火)13:00〜17:00(12:30開場)
場所 弁護士会館2階 講堂クレオ
東京都千代田区霞が関1−1−3
(地下鉄霞ヶ関駅B1−b出口直結) (会場地図)
大阪弁護士会館でもテレビ会議システムによる中継を行います。
参加費等 無料・申込不要・一般参加可
内容(予定) 講演
「2007年ネットワーク法判例回顧」町村 泰貴(大学法学部教授)
「ローカルネットワークによるWinny実演」岡田 崇(日弁連コンピュータ委員会委員)
Winny開発者の立場から」金子 勇(プログラマー
「P2Pの分類 〜技術的要因と人的要因」高木 浩光(産業技術総合研究所 情報セキュリティ研究センター主任研究員)
「P2Pの将来性」篠田 陽一(北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科教授) 「P2Pの法的問題」
壇 俊光(日弁連コンピュータ委員会委員)
パネルディスカッション
主催 日弁連コンピュータ委員会
問合せ先 日本弁護士連合会 情報システム管理課
TEL:03−3580−9830

白坂裕之「実例捜査セミナー ある児童福祉法違反の捜査について」捜査研究 第678号

 どっかで聞いたような話です。
 先に地裁に別件を起訴したので、引きずられたんじゃないかと観測してました。
 児童淫行罪を家裁管轄とするから迷うんですよね。

1 はじめに
本件は,児童福祉法違反(同法34条1項6号.「児童に淫行をさせる行為」)により警察から送致された事件について,被害児童の供述内容を客観的証拠に照らして検討した結果,全面的にはこれを信用できないものと判断し.育少年健全育成条例違反(「青少年とみだらな性交を行った」罪)により公判請求したものであり,供述証拠の評価や事件処理が果たしてこれでよかったのかという反省の意味も込めて,本件事例を紹介することとしたい

・・・・・

7 おわりに
パソコンや携帯電話によるメールの送受信記録は,その当事者の当時の意思や心情等を推知する有力な資料となるものであり,前記のとおり,関係者の供述の信用性を判断する上でも有用である場合が多いであろう。もちろん,事件によっては,関係者が偽装工作のためにメールを送信等する場合もあり,かかる点にも留意しなければならないことはいうまでもない。また,本件の事件処理についてはAとの性交の経緯に関するVの供述が前記のとおり信用できないとしても、AがVの雇用者的立場にあったことは動かぬ事実であり、かかる関係がAとVとの性交の背景にあるのだから,Aがその立場を利用し、事実上の影響力を及ぼしてAを相手にVに性交させたとみることができるのではないかという意見もあろうかと思われるが,この点については批判を待ちたい

性的虐待の事例(高松地裁H19.12.10)

 強制わいせつは読売にしか出てないようです。
 児童虐待防止法では家裁が関与しているんだから、これなんか家裁でやればいいんですけどね。
 しかし、各紙、被告人の名前を出すと、被害児童の名前も推知されちゃいますけど、平気なんですか?

小2の娘虐待に懲役3年4カ月 地裁判決 /香川県
2007.12.11 朝日新聞社
 小学2年の娘の頭や腹を殴ってけがを負わせたうえに包丁を胸元に突き付けて「刺すぞ」と脅したなどとして、傷害などの罪に問われた被告(41)に対する判決公判が10日、高松地裁であった。菊池則明裁判官は「実の娘に対し父親としてあるまじき卑劣な行為をした」として、懲役3年4カ月(求刑懲役4年)を言い渡した。
 判決によると、被告は6月20日午後11時半ごろ、自宅で娘に殴るけるの暴行を加え、9日間のけがを負わせるなどした。

娘にわいせつ行為 懲役3年4月判決 地裁=香川
2007.12.11 読売新聞社
 小学2年の娘にわいせつな行為や殴ってけがを負わせたなどとして、強制わいせつや傷害などの罪に問われた被告(41)の判決公判が10日、地裁であった。菊池則明裁判長は「被害者の心身の健全な成長に悪影響を与えた行為は厳しい非難に値する」とし、懲役3年4月(求刑・懲役4年)を言い渡した。

 判決によると、被告は5月22日、娘を裸にしてカメラ付き携帯電話で撮影。6月20日夜には自宅で、娘の頭を殴ったり腹をけったりして1週間のけがを負わせたうえ、包丁を突きつけて「刺すぞ」などと脅した。

虐待:7歳娘に「刺すぞ」と刃先 父に懲役3年4月−−地裁判決 /香川
2007.12.11 毎日新聞社
 自分の娘(7)を殴って負傷させるなどしたとして、傷害や暴力行為等処罰法違反などの罪に問われた被告(41)に対し、高松地裁は10日、懲役3年4月(求刑・懲役4年)を言い渡した。菊池則明裁判官は、「被害児の心身の健全な成長に悪影響を与え、厳しい非難に値する」と述べた。

 判決によると、被告は6月20日午後11時半ごろ、自宅で娘の顔面や頭部を殴り、さらに倒れた娘を足げにするなどして9日間のけがを負わせた。また、台所の包丁(刃渡り約16センチ)の刃先を胸元に突きつけ「刺すぞ」と脅迫するなどした。

「教師・公務員・一流企業幹部などエリートが走る『児童買春』の危険な罠」Themis 第181号

 「教員年間150人」ってほんとですか?
 依頼者・相談者を見ると、結構、一流企業の人も、児童買春罪しているようですよ。報道されませんが。
 法定刑もあがるし、穴もふさがるしで、厳しくなる一方です。

警察庁関係者もこう指摘する。児童買春・児童ポルノ禁止法違反にょる検挙者数は年間およそ1500人、なかでも教師は年間150人という高止まり状況にある。同法違反による検挙は、 なかなか難しい。そのため、各都道府県警およびその所管署では、立件の可能性が見込まれる事案のうち'とくに世間に対する抑止PR効果の高い被疑者をピンボイントで検挙している。教師の検挙数が多いのもそのためで、身内の警察といえども例外ではない。
・・・・
なかでも当局に〞ピンボイント″で狙い撃ちにされたターゲットの場合、その氏名や所属する組織名が実名で報道されるケースが圧倒的に多く、本人はもとより組織までが致命的なダメージを受けることにもなりかねないのだ。
・・・・
合法的な店舗型風俗店や派遣型風俗店にも'現役の女子中高生が風俗嬢としてまざれ込んでいる可能性は否定できないo要するに'当局が少女買春の抑止PR効果の高いエリートに照準を合わせているいまは'特別な少女愛好者だけではなく、ごく一般の風俗客といえども、いつどこで検挙の対象となるかわからない時代なのであるo
組織を率いるすべてのトップは、セクハラ対策と同様、児童買春&ポルノへの認識を改めるべきなのだ。

来年の祝日

 グループウエアに登録してしまいましたが、なんかこれだと違うようですね。

2008/1/1元旦
2008/1/14成人の日
2008/2/11建国記念の日
2008/3/20春分の日
2008/4/29みどりの日
2008/5/3憲法記念日
2008/5/4国民の休日
2008/5/5こどもの日
2008/5/6振替休日
2008/7/21海の日
2008/9/15敬老
2008/9/23秋分の日
2008/10/13体育の日
2008/11/3文化の日
2008/11/23勤労感謝の日
2008/11/24振替休日
2008/12/23天皇誕生日

 「昭和の日」ができて、「みどりの日」が動いたようですね。
 まあ、いいや。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO178.html
国民の祝日に関する法律
(昭和二十三年七月二十日法律第百七十八号)
最終改正:平成一七年五月二〇日法律第四三号
第一条  自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。
第二条  「国民の祝日」を次のように定める。
元日 一月一日 年のはじめを祝う。
成人の日 一月の第二月曜日 おとなになつたことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。
建国記念の日 政令で定める日 建国をしのび、国を愛する心を養う。
春分の日 春分日 自然をたたえ、生物をいつくしむ。
昭和の日 四月二十九日 激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。
憲法記念日 五月三日 日本国憲法 の施行を記念し、国の成長を期する。
みどりの日 五月四日 自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。
こどもの日 五月五日 こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。
海の日 七月の第三月曜日 海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。
敬老の日 九月の第三月曜日 多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。
秋分の日 秋分日 祖先をうやまい、なくなつた人々をしのぶ。
体育の日 十月の第二月曜日 スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう。
文化の日 十一月三日 自由と平和を愛し、文化をすすめる。
勤労感謝の日 十一月二十三日 勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう。
天皇誕生日 十二月二十三日 天皇の誕生日を祝う。
第三条  「国民の祝日」は、休日とする。
2  「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。
3  その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。

落書きの抗弁

 掲示板事件の常として、字面で判断すると思いますけど。

http://www.j-cast.com/2007/12/13014502.html
池内ひろ美さん「殺害予告」で14日判決 弁護側は「落書き」と無罪主張
2007/12/13 コメント(1)
「氏(し)ね」などと物騒な言葉が日常的に飛び交うネットの世界。そんな中で、評論家の池内ひろ美さん(46)を殺害する予告を書き込んだ会社員男性(45)が逮捕され、2007年12月14日に判決を迎える。検察側は、許容範囲を超えていたとして、厳罰を求めている。書き込みが許されるのはどこまでなのか。
「売り言葉に買い言葉で書いていた」
会社員男性が逮捕後、閉鎖されたままの池内ひろ美さんのブログ 新聞各紙によると、東京都日野市の会社員男性は、脅迫と威力業務妨害の疑いで2007年2月27日、警視庁に逮捕された。池内ひろ美さんがブログで職業差別発言をしたのに謝罪しないなどとして立腹。池内さんが名古屋市内で行う予定だった講演当日の06年12月20日未明、2ちゃんねるに「血で染め上げる」「教室に灯油をぶちまき火をつければあっさり終了」などと書き込み、講演を中止させた疑いだった。投稿者情報のIPアドレスは、2ちゃんねる管理人の西村博之氏が警察の請求で開示した。
男性はその後、起訴され、検察側は、07年10月5日に開かれた東京地裁での公判で、「陰湿で卑劣な犯行」として懲役1年6月を求刑した。
これに対し、弁護側は、無罪を主張している。朝日新聞の12月11日付記事によると、その理由は「ネット掲示板の常識を知っていれば脅迫とは読めない」ということだという。
ここで言う「常識」とは何だろうか。記事によると、被告は法廷で、自らの過激な書き込みに執拗にからむようなほかの2ちゃんねらーに、「いらだっていた」と説明。「血の海になりますよ〜」「これは犯罪予告だ!」といった自らの書き込みは、ねらーに向けて書いたに過ぎず、「池内さんに危害を加えるつもりはなく、そういう内容とも思っていなかった」という。被告の弁護人も、「『犯罪予告だ』というのは反語(アイロニー)であるのは明白」「(2ちゃんねるは)通称『便所の落書き』」と説明している。

追記
 2ちゃんねるの常識云々より、2ちゃんねるにも日本の法律が適用されることを忘れないでほしいですね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071214-00000043-jij-soci
石井裁判官は「書き込みが加害行為の告知であることは文面上明らか」として、「脅迫の意図はなかった」との弁護側の無罪主張を退けた。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071214-00000048-mai-soci
判決によると、被告は06年12月、池内さんが名古屋市で開催する講座に関し、「教室に灯油をぶちまき、火をつければ、あっさり終了」などと書き込んだ。弁護側は「主観的意見を述べただけ」などと無罪を主張したが、判決は「加害行為の告知であることは明らか」と退けた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071214-00000908-san-soci
石井裁判官は「書き込みが殺人、放火の犯行予告であることは文面から明らか」と指摘し脅迫罪の成立を認定。その上で「卑劣で悪質な行為であり内容も激烈で犯情は重い」と述べた。
 被告側は「書き込みは客観的な意見を述べただけで危害を加える意味はなく脅迫には当たらない」などと無罪を主張していた。
 判決によると、被告は昨年12月20日未明、自宅のパソコンからネット掲示板2ちゃんねる」に「教室に灯油をぶちまき 火を付ければ あっさり終了」「文化センター血の海になりますよ」などと記載。名古屋市内の文化センターで同日午後、講演を予定していた池内さんを脅し、講演を中止させた。
 判決を受けて、池内さんは「2ちゃんねるの常識を根拠に無罪を主張していたが、その理屈は一般社会で通用しないと裁判所が判断したのだろう。ネット犯罪に裁判所が厳しく対処し、止めさせることが最良の解決だと思う」とのコメントを発表した。

少年法37条を廃止する理由

 http://www.moj.go.jp/SHINGI/housei.htmlの委員の顔ぶれを見ると、そんなに量刑の不都合とかを体験している人はいないようです。

http://www.moj.go.jp/SHINGI2/071129-1-1.txt
法制審議会第154回会議(平成19年11月29日開催)
少年審判における犯罪被害者等の権利利益の一層の保護等を図るための法整備に関する諮問第83号について
 最後に,要綱(骨子)第四の「成人の刑事事件の管轄の移管等」についてであります。
 まず,一についてですが,現行の少年法においては,第37条第1項に掲げる少年の福祉を害する成人の刑事事件については,家庭裁判所が管轄権を有するものとされています。
 この点については,これらの事件とそれ以外の事件とが併合罪の関係に立つ場合,家庭裁判所地方裁判所等に別々に公訴が提起されることとなり,その結果,審理期間が長くなったり,併合審理がなされた場合とは異なる刑が言い渡される場合があるなどの不都合が生じる場合があること等の指摘があり,このような成人の刑事事件については,他の事件と同様に地方裁判所等で取り扱うこととするのが適当と考えられることから,その管轄を,家庭裁判所から地方裁判所又は簡易裁判所に移管することとするものです。
 次に,二についてですが,少年法第38条において,家庭裁判所は,少年に対する保護事件の調査又は審判により,同法第37条第1項に掲げる事件を発見したときは,これを検察官等に通知しなければならないものとされております。この規定は,家庭裁判所における調査・審判の過程において同項に掲げられた事件を発見することが多いことを考慮して,現行少年法制定時に設けられたものですが,現在の少年非行を取り巻く状況等にかんがみると,少年の福祉を害する成人の刑事事件は同項に掲げられたもの以外についてもさまざまなものが考えられる上,刑事訴訟法には,公務員の告発義務の規定もあることなどから,現在,この規定の有する意義は乏しいものと考えられ,第37条第1項に掲げる事件の管轄移管と合わせ,第38条の規定を削除することとするものです。