児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

6罪で20年求刑(甲府地裁)

 撮影行為は、量刑の事情になったり、強制わいせつの実行行為になったりします。
 住居侵入強姦は、被害者の落ち度がないし、被害者が最も安心している空間なので、重くなります。

甲府・連続暴行:被告に懲役20年を求刑 /山梨
2007.06.01 毎日新聞社
 検察側は論告で、刃物を突きつけ携帯電話のカメラで裸を撮影していたことを挙げ、「計画的かつ悪質で極めて巧妙」と指摘。被告人質問で、被告が起訴事実以外にも40〜50回、窃盗目的で女性宅に侵入し、5回ほど性的暴行を企てたと話したことなどから、「常習性は明らか」として再犯の可能性を言及した。
毎日新聞社

「コンビニ行く感覚だった」 女性6人乱暴の被告 初公判 /山梨県
2007.05.31 朝日新聞社
 この日の公判で、被告は、女性に被害届を出さないよう、女性の顔や裸をカメラ付き携帯電話で撮影し、「警察に言ったら、写真をばらまく」などと脅していたことも明らかになった。

擬似的かすがい現象 辻本典央「罪数論と手続法との交錯 かすがい現象について」鈴木古稀下巻p541

 実務家は罪数論と手続法が交錯・倒錯した世界にいます。
 なんか、かすがい現象が人気ですね。
 学者の論文って、判例が雑誌に紹介されてから書き始めるので、出てくるのが遅いですね。東京高裁h17.12.26がh19.5に分析されています。
 札幌高裁h19.3.8も大阪高裁H18.10.20かすがいですよ。

近時'かすがい現象が問題となった事例で、実際に、検察官がかすがいとなるべき犯罪を「呑んで」起訴することで、二重起訴の問題を回避するという事例(東京高判平成一七年一二月二六日刊時一九一八号二三頁)が報告されている。(注30)
この事件は'被告人が平成一ハ年二年二日から平成一七年二月一七日までの間六回にわたり実行した児童ポルノ製造罪(児童買春等処罰法七条一項、三項、二条三項)により地方裁判所に起訴されたが、被告人はすでに別訴にて平成一七年三月二六日に実行した児童淫行罪(児童福祉法六〇条二項、三四条一項六号)により家庭裁判所に起訴されており、この児童淫行罪は'本件で起訴された児童ポルノ製造罪と実体法上観念的競合の関係にある(起訴されなかった)ものと包括一罪の関係にあり、やはり全体が包括一罪の関係にある児童ポルノ製造罪との間でも起訴されなかった児童淫行罪をかすがいとして全体として科刑上一罪の関係となり、したがって少年法三七条二項の適用により全て家庭裁判所に事物管轄が認められるために本件は公訴棄却されるべきものではないかという点が問題となったものである

注30 もっとも、本件は、実体法上二個の、各々が集合犯として包括1罪の関係にある犯罪相互の関係が問題となった事例であり、いわゆる「擬似的かすがい現象」というべき事例である。

国選弁護人の被害弁償

 奥村は国選弁護は受けていませんが、時々、国選程度の費用で国選程度の内容でいいからやってくれないかという依頼があります。
 まともにやると赤字になるし、被害弁償もしなくていいというのなら何のために弁護人やるのかわからないので、お断りしています。

http://www.houterasu.or.jp/content/kokusenhousyuu.pdf
国選弁護報酬基準の概要 (H19.4改正約款版)
1.報酬
 (1) 通常報酬
  ① 基礎報酬(公判1〜3回)
    1回 70,000円
    2回 77,000円
    3回 84,000円
・・・
② 特別成果加算
   ・50%相当分以上の損害賠償   10,000円
   ・実質的に損害賠償         20,000円
   ・被害者と私法上の和解成立   30,000円

親告罪の捜査弁護

 起訴されてから相談されることがあります。
 起訴までに示談すれば、起訴されないわけですが、時々
   知らなかった 
   どうして教えてくれないんですか!
という反応があります。
 当番弁護士を活用してください。

プロフ・トラブル:急増、県警が教員向け対処マニュアル /神奈川

 検事さんが被害者の連絡先を秘匿されることがあるんですが、被告人のメールボックスに住所と電話番号がばっちり残っていることがあります。
 警察から「全部消去しました」という捜査報告書が出ていても、全部残っていることがありますので、弁護人も確認して、被告人が自発的に消去したという書証を作って、責任もって、削除してください。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070602-00000097-mailo-l14
記者がプロフを開いてみると、顔写真とともに利用駅や住所なども詳細に記入しているサイトも多数あり、個人情報がネット上にさらされる危険性をはらんでいる。
 県警サイバー犯罪対策センターに寄せられたプロフをきっかけとしたトラブルには、男子中学生がプロフに「けんか上等」と書いたところ、今年1月にJR川崎駅に中学生約200人が集まる騒ぎになった事例や、何者かが女子生徒になりすまして友人のプロフの掲示板にわいせつな文章を掲載し、女子生徒が友人から軽べつされた事例などがある。

 被告人の大量のメール(定型)を眺めていて気づいたんですが、いくら児童でもメールだけで引っかかる確率はかなり低いんですが、掲示板でアドレス拾って、大量に発信すれば、引っかかる児童の人数は結構多くなるということです。