児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

A警察署に「自首」したつもりが、B警察署で捜査が始まっていた場合

 児童も市町村境・府県境を越えて活動していますので、どこで捜査されているかわかりません。
 債権譲渡の対抗要件民法467)みたいですが、A警察署とB警察署が互いを知るのは、被害児童を通じてということになるので、B警察署が逮捕状を取る前に、A警察署が被害児童に到達してくれる(被害児童がA警察署とB警察署に呼ばれる)のを祈るしかないです。特にAとBが他府県の場合。

「裁判官とかたらんネ!!〜私もなりたい裁判員〜」開催のご案内

 なりたいからといってなれないんですよね。
 奥村が潜り込んで「罪数処理について裁判官と話してみたい」といっても排除されるでしょうね。

http://www.courts.go.jp/miyazaki/about/koho/moyosi/saibankan_kataran.html
宮崎地方・家庭裁判所では、裁判員制度広報企画として、裁判官との意見交換会等を定期的に開催します。「裁判員制度に興味をお持ちの方」「法廷を見てみたいと思っている方」「裁判官と話してみたい方」などなど,理由は問いませんので,是非ご参加いただき,いろいろな意見をお聞かせください。日程等は次のとおりです。
1.日時
平成19年5月30日(水)13:10〜17:10(第4回)
平成19年7月11日(水)13:10〜17:10(第5回)
2.場所
宮崎地方裁判所(12時50分までに1階南玄関ロビー集合)【周辺地図】
※来庁に際しては、公共交通機関をご利用ください。
3.定員
30名
4.内容(両日とも共通)
13:00〜14:20  裁判員裁判の映画「裁判員〜選ばれ,そして見えてきたもの〜」上映会
14:30〜16:00  刑事裁判傍聴
16:10〜17:10  裁判官と語ろう

被害児童が傷害で逮捕されたことが端緒となった事例

 児童買春罪の場合、被害児童の行動にも問題があるので、警察と接触する危険が高いのが特徴です。
 証券会社の児童買春罪を扱ったことがあります。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/47491/
少女が別の傷害事件で逮捕され、捜査の過程で容疑者の犯行が発覚した

罰金20万円の事例

 報告しなかった場合より軽くしないと、だれも報告しなくなります。
 奥村が担当した事件では、職場に報告した人も、多分報告していない人もいました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070413-00000270-mailo-l38
児童買春:伊方町職員、容疑で罰金の略式命令 /愛媛
 伊方町の50歳代の男性幹部級職員が児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で県警に書類送検され、罰金20万円の略式命令を受けていたことが12日、分かった。男性職員はすぐに町に報告せず、退職願を出しているが、処分は受けていない。
 同町などによると、男性職員は昨年2月、松山市内のカラオケ店で少女の身体に触るなどしたという。少女周辺とのトラブルから男性職員の容疑が浮上し、書類送検されたが、上司に報告していなかった。3月末になって男性職員から報告があり、不祥事が分かったという。
 同町の浜口市作・副町長は「非常に残念だ。調査して厳正な処分をしたい」と話した。

追記
 端緒は、恐喝被害申告でした。どうりで罰金が安い。

伊方町幹部が児童買春 すでに罰金20万円納付 /愛媛県
2007.04.12 朝日新聞社
 朝日新聞の調べでは、この職員は昨年2月、松山市内の飲食店で知り合った18歳未満の少女とカラオケ店に行き、みだらな行為をした。これを知った少女の知り合いの男から300万円を要求され、警察に届け出て児童買春が判明した。

伊方町 管理職が児童買春 罰金20万円略式命令 上司に申告せず
2007.04.13 愛媛新聞社
 複数の町関係者によると、職員は事件を上司に申告していなかった。町には昨年七月、犯罪通知書が検察から届いていたが、今年二月になるまで職員名が記されていることに気付かず、今年三月末に担当課が町幹部に報告した。

 犯罪通知書というのは、自治体の犯罪人名簿用の通知です。町長が管理しているので、職員の懲戒に利用されたんでしょうが、たまたま本籍地が別であれば発覚しないので、不公平な感じです。個人情報の利用目的から外れているような気がします。

http://www.moj.go.jp/KEIJI/keiji21.html
犯歴事務規程(法務省訓令)
(既決犯罪通知)
第 3条 
4  地方検察庁の本庁の犯歴係事務官は,既決犯罪通知書(甲)に記載されている裁判が罰金以上の刑に処する裁判(少年のときに犯した罪に係る裁判であつて,確定のときにその裁判に係る刑の執行を受け終わつたこととなるもの,刑の執行を猶予するもの及び刑の執行を免除するものを除く。)であるときは,その裁判を受けた者の戸籍事務を管掌する市区町村長(以下「本籍市区町村長」という。)に対し,その既決犯罪通知書(甲)を送付してその裁判に関し必要な事項を通知する。

 そういえば、福祉犯で、略式確定前に、本籍地を移した人がいました。取り越し苦労だと思ったんですが、当たっていたということですね。



犯罪人名簿
http://www.google.com/search?hl=ja&rls=com.microsoft%3Aja%3AIE-SearchBox&rlz=1I7GGLG&q=%E7%8A%AF%E7%BD%AA%E4%BA%BA%E5%90%8D%E7%B0%BF%E4%BA%8B%E5%8B%99%E5%8F%96%E6%89%B1%E8%A6%8F%E7%A8%8B&btnG=Google+%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=

http://www02.bbc.city.okinawa.okinawa.jp/reiki/act/content/content110000092.htm
沖縄市犯罪人名簿取扱規程
(目的)
第1条 この規程は、犯罪人名簿(以下「名簿」という。)の整備及び身分証明の手続等について規定し、もつて身分証明及び選挙人名簿の調製等の事務の適正な処理に寄与することを目的とする。
(名簿の取扱い)
第3条 名簿は、第1条の目的のためにのみ整備及び保管され、その登録されている事項は,人権に重大な影響を与えるので取扱いを厳重にし、担当職員以外にみだりに閲覧させてはならない。

奥村徹「児童ポルノ、児童買春法違反等被告事件 製造中の児童ポルノ所持罪を否定」季刊刑事弁護50号

 お粗末な警察と検察官(起訴検事+立会検事)の合わせ技で、一部無罪。
 そういう事件も来ますわな。

また、児童買春罪と製造罪が観念的競合で、製造と提供は牽連犯という判決

 知る限りでは奈良地裁H18に続いて2件目。
 奥村が声高に叫ぶほど、奥村説からだんだん離れて軽くなっていくぅ〜。
 なんで観念的競合なのか、また悩みます。

手品用でも硬貨加工駄目 マジシャンらに有罪判決(東京地裁H19.4.13)

 控訴するそうです。
 根拠も不明確な電子マネーが乱立していくと、国家が発行する紙幣・貨幣の信用というのは、相対化しますよね。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007041301000656.html
 手品用に内側をくりぬく目的で500円玉などを集め、台湾で加工して輸入しようとしたとして、マジシャンら3人が貨幣損傷等取締法違反(損傷目的収集)罪などに問われた事件があり、東京地裁(鈴木秀行裁判官)は13日「加工した円硬貨を使う手品は困難になるが、貨幣の信用を保護するためには、やむを得ない」として、3人に有罪判決を言い渡した。
 弁護人の小野智彦弁護士は同法などの規制について「マジシャンへの適用は『表現の自由』の侵害で憲法違反」と無罪を主張していた。
 判決後、小野弁護士は「初めての判断。加工した外国硬貨は使えるが、マジック表現の幅は狭くなる」と述べ、控訴する方針を明らかにした。

 控訴棄却のようです。

東京高裁判決速報 速報番号3363号
貨幣損傷等取締法違反,関税法違反
○判示事項
貨幣を切削等してマジック用コイン(ギミックコイン)とするための材料として,本邦内の銀行に設置された両替機を用いて日本国政府発行の貨幣を収集した上,これを国外に郵送し,国外において,額面の同じ真貨を2枚ずつ削ってくりぬき,一つに組み合わせるなどして加工した変造貨幣を本邦に輸入しようとして未遂に終わった事案につき
1 貨幣損傷等取締法にいう貨幣の「損傷」とは,「地金として販売あるいは使用する目的」でなした行為に限られるものではなく,マジック用コインに加工する目的でなした行為も,同法にいう「損傷」にあたる。
2 マジック用コインに加工した貨幣を本邦内に輸入しようとした行為は,関税法で一律に禁じられた貨幣の変造品の輸入の未遂罪に該当する。
3 貨幣損傷等取締法あるいは関税法の各規定により,日本円の貨幣を材料としたマジック用コインの入手が事実上困難となることになるが,憲法21条1項,31条に違反するとは解されない。
旨判示した事例。

拘置所での証拠ビデオ再生拒否「違憲」 国の敗訴確定

 後藤国賠。
http://www.osakaben.or.jp/web/info/2005/2005_0331.php
 テレビデオとかコンセントとか、時代を感じますが、
 おかげ様で、ノートPC(電池式)とDVDで動画を持ち込んで見せても何も言われません。

http://www.asahi.com/national/update/0413/TKY200704130355.html
 裁判は、大阪弁護士会所属の後藤貞人弁護士が01年、大阪拘置所大阪市都島区)で接見中の被告に、刑事裁判の証拠品のビデオテープを見せようとしたところ、拘置所職員に拒否されたことをめぐって起こされた。弁護士は弁護活動を妨害されたとして国に1100万円の損害賠償を求めていた。

取調官の証人申請検討 再審決定で弁護団

 えん罪となった経緯については、検察官が、簡単な捜査報告書出してきて、不同意になったら、撤回して終わりじゃないんですかね?

http://www.kitanippon.co.jp/contents/knpnews/20070413/4156.html
地検高岡支部が再審請求しており、再審公判で検察側、弁護側双方が無罪を主張すれば公判は速やかに終結するが、弁護団は男性の自白調書などの証拠採用を求めるほか、男性を取り調べた警察官ら捜査関係者の証人申請を検討。男性が自白に至った状況や原因など「冤罪(えんざい)の構造」を明らかにする考えだ。
 証人採用を認めるかどうかは、裁判所が判断する。
 富山地検は、早期に男性の無罪を確定させて名誉回復を図るため、再審初公判で審理を終えたい意向だが、弁護団の弁護士は「男性がなぜ自白したか明らかにすることこそが、男性の真の救済や、冤罪の再発防止につながる」と話している。