児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

債務免除による対償供与約束の事案

 経済的利益であれば何でもいいわけですが、珍しいですね。
 犯人が携帯電話料金を立て替えて、その債務を免除するという事例を見たことがあります。
 児童の思慮浅薄につけ込むわけですから、「漫画本数冊」とかなんでもありだし、そもそも児童を釣るのに経済的利益なんかいらないと言い切る被告人もいます。

児童買春容疑で会社員を逮捕 成田署=千葉 2007.04.11 読売新聞社 
 調べによると、容疑者は昨年12月28日、船橋市内のホテルで、3万円を貸していた県立高校の女子生徒(当時17歳)に借金の利息を免除すると持ち掛け、18歳未満と知りながらわいせつな行為をした疑い。女子生徒とは出会い系サイトで知り合ったという。

「携帯電話のゲームサイトの掲示板」は「出会い系」?

 福祉犯では「倶知安」頻出。
 公判請求された場合、岩内支部なのか、小樽支部なのかよくわかりません。
 地検岩内支部は小樽にあったりして、よくわかりません。

みだらな行為容疑、室蘭開建職員を逮捕 倶知安署=北海道
2007.04.11 読売新聞社
容疑者は携帯電話のゲームサイトの掲示板で女性と知り合ったという。

いん行:高校生と 開建職員を逮捕
2007.04.11 毎日新聞社
 容疑者と女子生徒はこの日の直前に携帯電話の出会い系サイトで知り合ったという。その後も複数回いかがわしい行為をしたとみられ、同署が追及している。

高校生に選挙活動させる=会社役員ら2人逮捕−大阪府警

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070412-00000006-jij-soci
8日投開票の大阪市議選で、高校生2人に報酬を払い選挙運動をさせたとして

 選挙運動した未成年者も137条の2第1項、239条1項1号で罰則、未成年者を使用した者も、137条の2第2項、239条1項1号で罰則が適用されます。
 未成年者保護規定なんですが、未成年者が処罰されます。
 但書が弁解になります。

公職選挙法
第137条の2(未成年者の選挙運動の禁止)
年齢満二十年未満の者は、選挙運動をすることができない。
2 何人も、年齢満二十年未満の者を使用して選挙運動をすることができない。但し、選挙運動のための労務に使用する場合は、この限りでない。


第239条(事前運動、教育者の地位利用、戸別訪問等の制限違反)
次の各号の一に該当する者は、一年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第百二十九条、第百三十七条、第百三十七条の二又は第百三十七条の三の規定に違反して選挙運動をした者

子供の刑事事件被害が過去10年で最少

 これを信じるならば、いいことですよね。

http://www.shimotsuke.co.jp/hensyu/news/php/s_news.php?f=k&d=20070412&n=1
子供の刑事事件被害が過去10年で最少
 強制わいせつや暴行などの刑事事件に遭った十三歳未満の子供の被害件数が二〇〇六年は二百八十五件と前年を九十五件下回り、過去十年間で最少となったことが、十一日までの県警生活安全企画課などのまとめで分かった。〇五年十二月に発生した日光市(旧今市市)の小一女児殺人事件後に急速に拡大した民間の自主パトロール活動の強化や地域の防犯意識の高まりが児童らを狙った性犯罪などの減少に結び付いたとみられる。県警は引き続き地域や関係機関との連携を深め犯罪の抑止に取り組む方針。

弁護士専用貸しオフィス「Theo(テオ)」をグランドオープン

 「ノウハウ伝授サービス付」って老獪弁護士でも常駐するんですか?

http://www.kokuyo.co.jp/press/news/20070409-698.html
弁護士専用貸しオフィス「Theo(テオ)」をグランドオープン
東京メトロ有楽町線「麹町」駅前に立地〜
発表日:2007/4/9
コクヨグループのコクヨビジネスサービス株式会社(本社:大阪市/社長:小嶋浩毅)は、東京メトロ有楽町線「麹町」駅前という交通至便の地に、弁護士専用貸しオフィス「Theo(テオ)」を2月より一部、先行オープンしていますが、この度、5月7日のグランドオープンに向け、4月19日から新たに入居者募集を開始します。  
「Theo (テオ)」は、2007年10月の、法科大学院を卒業し司法修習を終了した弁護士が大量に新規参入する時代を見据えて開始するサービスです。家具やインフラ、セキュリティなど、付帯設備をあらかじめセッティングした最新の執務環境を賃貸契約により提供するものです。会議室や法律書を集めた図書スペースを備えている他、来客者への対応や電話取次ぎ、ホームページ作成や事務補助など各種サービスも提供し、弁護士業務を強力にサポートします。今回は、12月に募集を開始した1期分に引き続き、新規入居者を募集します。
弁護士専用貸しオフィス「Theo(テオ)」は、弁護士および法律事務所を対象としたコンサルティング法人である株式会社トール(本社:東京都千代田区/社長:鈴木章)がプロデュースし、コクヨビジネスサービスが運営を行っています。

・コピーサービス
・書類配達サービス(裁判所及び弁護士会館へのシャトル便他)
・会議室利用サービス
・パソコン関連の各種サービス
・消耗品購入支援
・宅配便送受サービス
・総務支援(人事、労務、社保)
・経理・税務支援
・翻訳サービス
・反訳(テープおこし)サービス
・HP立ち上げ支援
・ロゴ、印刷物の提案・提供
・セミナー開催支援
・出版支援
・旅行代理店業務
・鉄道・航空チケット取得
・海外視察旅行の企画
・個別案件についてのノウハウ伝授
弁理士公認会計士、税理士等の紹介サービス
・不動産関連業務全般
・各種鑑定業務全般
・各種調査業務
・電話対応
・来客時の湯茶サービス
・ミーティングブース(30分以内)
・図書スペース利用

児童買春:起訴の中学教諭を休職処分−−県教委 /高知

 高知では、児童買春1罪でも公判請求されたとか、在宅捜査でも正式起訴されたとか聞いています。

  3/上旬 犯行
  3/13逮捕
  3/23公判請求

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kochi/news/20070412ddlk39040533000c.html
 休職中は給料の6割が支給される。小中学校課は「拘置中で事実確認ができないため、休職処分にしたが、裁判で起訴事実を認めれば、厳正な処分をする」とコメントしている。

 いっこうに減らないわいせつ教員に対する一般予防を考えると、体刑求刑もやむを得ないのかもしれません。

夫婦共演、わいせつ画像公開、福井県警が公然陳列で逮捕

 時々、自作自演というのがあります。
 媒体に記録してから流すと、わいせつ図画公然陳列罪(最高懲役2年)。
 記録しないで生放送(ストリーミングでライブ配信)すると、公然わいせつ罪(最高懲役6月)。
 刑法が有体物にこだわっているのでこうなります。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/47307/
調べでは、両容疑者は昨年11月から今年1月にかけ、2人が運営するホームページで違法なわいせつ画像を有料で公開した疑い。
 両容疑者は平成12年7月ごろからホームページを開設。主に屋外で撮影した自分たちのわいせつな画像や動画を公開し、約2000人から計約2億円を売り上げていたとみられる。
 閲覧者から昨年10月、「撮影場所が越前海岸ではないか」との情報が寄せられ、同署が調べていた。

第174条(公然わいせつ) 
公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
第175条(わいせつ物頒布等)
わいせつな文書、図画その他の物を頒布し、販売し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処する。販売の目的でこれらの物を所持した者も、同様とする。

追記

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070412-00000094-jij-soci
映像送信型性風俗特殊営業容疑者(38)と妻(32)を逮捕した。夫婦は全国の延べ2000人以上のHP会員から、2億円を超える会費を得ていたという。同容疑でHPの運営業者が逮捕されるのは全国初。

 摘発されなかったのは、通常は役所の行政指導とか行政処分を気にしてるからですよね。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
第1条(目的)
この法律は、善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため、風俗営業及び性風俗関連特殊営業等について、営業時間、営業区域等を制限し、及び年少者をこれらの営業所に立ち入らせること等を規制するとともに、風俗営業の健全化に資するため、その業務の適正化を促進する等の措置を講ずることを目的とする。
第2条(用語の意義)
5 この法律において「性風俗関連特殊営業」とは、店舗型性風俗特殊営業、無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業、店舗型電話異性紹介営業及び無店舗型電話異性紹介営業をいう。
8 この法律において「映像送信型性風俗特殊営業」とは、専ら、性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業で、電気通信設備を用いてその客に当該映像を伝達すること(放送又は有線放送に該当するものを除く。)により営むものをいう。
第3款 映像送信型性風俗特殊営業の規制等
第31条の7(営業等の届出)
映像送信型性風俗特殊営業を営もうとする者は、事務所の所在地を管轄する公安委員会に、次の事項を記載した届出書を提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 当該営業につき広告又は宣伝をする場合に当該営業を示すものとして使用する呼称
三 事務所の所在地
四 第二条第八項に規定する映像の伝達の用に供する電気通信設備(自動公衆送信装置(著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第二条第一項第九号の五イに規定する自動公衆送信装置をいう。以下同じ。)を用いる場合にあつては自動公衆送信装置のうち当該映像の伝達の用に供する部分をいい、電気通信回線の部分を除く。次条において「映像伝達用設備」という。)を識別するための電話番号その他これに類する記号であつて、当該映像を伝達する際に用いるもの
五 前号に規定する場合における自動公衆送信装置が他の者の設置するものである場合にあつては、当該自動公衆送信装置の設置者の氏名又は名称及び住所
2 第三十一条の二第二項から第五項まで(第四項ただし書を除く。)の規定は、前項の規定による届出書の提出について準用する。この場合において、同条第二項中「同項各号(第四号を除く。)」とあるのは「第三十一条の七第一項各号」と、同条第三項中「前二項」とあるのは「第三十一条の七第一項又は同条第二項において準用する前項」と、同条第四項中「第一項又は第二項」とあるのは「第三十一条の七第一項又は同条第二項において準用する第二項」と読み替えるものとする。
第31条の8(街頭における広告及び宣伝の規制等)
第二十八条第五項及び第七項から第九項までの規定は、映像送信型性風俗特殊営業を営む者について準用する。この場合において、同条第五項中「前条に規定するもののほか、その」とあるのは「その」と、同項第一号ロ中「第二項」とあるのは「第二条第六項第五号の営業について第二項」と、同条第七項中「第五項第一号」とあるのは「第三十一条の八第一項において準用する第五項第一号」と、「第二十七条第一項」とあるのは「第三十一条の七第一項」と、同条第八項中「前条及び第五項」とあるのは「第三十一条の八第一項において準用する第五項」と、同条第九項中「その営業所に立ち入つて」とあるのは「客となつて」と読み替えるものとする。
2 映像送信型性風俗特殊営業を営む者は、十八歳未満の者を客としてはならない。
3 映像送信型性風俗特殊営業(電気通信設備を用いた客の依頼を受けて、客の本人確認をしないで第二条第八項に規定する映像を伝達するものに限る。)を営む者は、十八歳未満の者が通常利用できない方法による客の依頼のみを受けることとしている場合を除き、電気通信事業者に対し、当該映像の料金の徴収を委託してはならない。
4 映像送信型性風俗特殊営業(前項に規定するものを除く。)を営む者は、客が十八歳以上である旨の証明又は十八歳未満の者が通常利用できない方法により料金を支払う旨の同意を客から受けた後でなければ、その客に第二条第八項に規定する映像を伝達してはならない。
5 その自動公衆送信装置の全部又は一部を映像伝達用設備として映像送信型性風俗特殊営業を営む者に提供している当該自動公衆送信装置の設置者(次条において「自動公衆送信装置設置者」という。)は、その自動公衆送信装置の記録媒体に映像送信型性風俗特殊営業を営む者がわいせつな映像又は児童ポルノ映像(児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律第二条第三項各号に規定する児童の姿態に該当するものの映像をいう。次条第二項において同じ。)を記録したことを知つたときは、当該映像の送信を防止するため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
第31条の9(指示等)
映像送信型性風俗特殊営業を営む者又はその代理人等が、当該営業に関し、この法律又はこの法律に基づく命令若しくは条例の規定に違反したときは、当該違反行為が行われた時における事務所の所在地を管轄する公安委員会は、当該映像送信型性風俗特殊営業を営む者に対し、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要な指示をすることができる。
2 映像送信型性風俗特殊営業を営む者が客にわいせつな映像又は児童ポルノ映像を見せた場合において、当該映像送信型性風俗特殊営業を営む者に係る自動公衆送信装置設置者が前条第五項の規定を遵守していないと認めるときは、当該自動公衆送信装置設置者の事務所の所在地を管轄する公安委員会は、当該自動公衆送信装置設置者に対し、同項の規定が遵守されることを確保するため必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
3 公安委員会は、電気通信事業者たる自動公衆送信装置設置者に対して前項の規定による勧告をしようとするときは、あらかじめ総務大臣と協議しなければならない。
第31条の10(年少者の利用防止のための命令)
映像送信型性風俗特殊営業を営む者又はその代理人等が、当該営業に関し、第三十一条の八第三項又は第四項の規定に違反したときは、当該違反行為が行われた時における事務所の所在地を管轄する公安委員会は、当該映像送信型性風俗特殊営業を営む者に対し、当該営業を営む方法について、十八歳未満の者を客としないため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
第31条の11(処分移送通知書の送付等)
公安委員会は、映像送信型性風俗特殊営業を営む者に対し、第三十一条の九第一項の規定による指示又は前条の規定による命令をしようとする場合において、当該処分に係る映像送信型性風俗特殊営業を営む者が事務所を他の公安委員会の管轄区域内に変更していたときは、当該処分に係る事案に関する弁明の機会の付与を終了している場合を除き、速やかに現に事務所の所在地を管轄する公安委員会に国家公安委員会規則で定める処分移送通知書を送付しなければならない。
2 前項の規定により処分移送通知書が送付されたときは、当該処分移送通知書の送付を受けた公安委員会は、次の各号に掲げる場合の区分に従い、それぞれ当該各号に定める処分をすることができるものとし、当該処分移送通知書を送付した公安委員会は、第三十一条の九第一項及び前条の規定にかかわらず、当該事案について、これらの規定による処分をすることができないものとする。
一 当該映像送信型性風俗特殊営業を営む者又はその代理人等が、当該営業に関し、この法律又はこの法律に基づく命令若しくは条例の規定に違反した場合 善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要な指示をすること。
二 当該映像送信型性風俗特殊営業を営む者又はその代理人等が、当該営業に関し、第三十一条の八第三項又は第四項の規定に違反した場合 当該営業を営む方法について、十八歳未満の者を客としないため必要な措置をとるべきことを命ずること。
3 第一項の規定は、公安委員会が前項の規定により処分をしようとする場合について準用する。

追記
 売り上げがこれだけあると、税務署に課税通報されるでしょうね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070413-00000052-sph-soci
ネット露出エロ夫婦2億円荒稼ぎ…人気無修正有料サイト
 両容疑者は00年7月ごろからサイトを開設。閲覧料金は、期間別になっており、最低が30日間4200円、最高が90日間1万3000円。映像は随時更新するなどプロ並みの本格さだったという。
 夫婦のサイトはアダルト系の中でも人気が高かったようで、利用者は全国に広がっており、約6年半の間に、約2000人から約2億円を売り上げていたとみられる。

強姦未遂で陸自教官逮捕 被害者は義理の娘の小学生

 児童淫行罪とか3項製造罪(姿態とらせて製造)とかも立ちそうですが、かすがい現象で一罪になってしまうのでおそらく立件されない。
 ただし一罪の処断刑期に抑えろといえそうです。児童ポルノ罪が包括一罪とされるおかげで性犯罪者は得をします。

http://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/070412/jkn070412009.htm
強姦未遂で陸自教官逮捕 被害者は義理の娘の小学生
  調べでは、容疑者は平成17年4月、東京都中野区の自宅で、 義理の娘の服をぬがせるなどして、乱暴しようとした疑い。
 容疑者はその様子をビデオカメラで撮影。 女児の母親だった当時の妻がビデオを見つけ、 容疑者と離婚した後、今年1月に警視庁に被害を訴えて発覚した。

 最近の裁判所は、児童ポルノ製造罪と、児童淫行罪とか児童買春罪とかとは観念的競合というので、強姦罪とも観念的競合。

http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/K2007041201740.html?fr=rk
乱暴しようとする様子を自らビデオに撮影しており、妻がビデオテープを見つけて同庁に届け出ていた。事件発覚後、妻とは離婚している。
 町田署の調べでは、容疑者は05年4月ごろ、当時住んでいた都内の自宅で女児に乱暴しようとした疑い。抵抗されてあきらめたが、服を脱がせたり体を触ったりしている様子を自らビデオに撮影していたという。


 例えば、被害児童A子(10)に対して、
  1/1 姦淫
  2/1 姦淫
  3/1 姦淫
  4/1 姦淫
  5/1 姦淫
・・・・合計100回
をすると、併合罪加重されて、処断刑期の上限は懲役30年です。100回も強姦したんだから宣告刑も上限の懲役30年。
 ところが、姦淫の際に、撮影(児童ポルノ製造)をすると、
  1/1 姦淫+撮影
  2/1 姦淫+撮影
  3/1 姦淫+撮影
  4/1 姦淫+撮影
  5/1 姦淫+撮影
・・・・合計100回
最近の判例では、姦淫行為と撮影行為は観念的競合、数回の撮影は包括一罪なので、かすがい現象によって科刑上一罪となって、処断刑期の上限は懲役20年です。100回も強姦したんだから宣告刑も上限の懲役20年
 撮影しておけば、最も悪質な場合に10年違ってくる。
 これでは、児童強姦犯人に撮影行為を推奨しているようなものです。

 じゃあ、製造罪を起訴しない検察官も出てくるのでしょうが、
   姦淫行為と撮影行為は観念的競合
   数回の撮影は包括一罪
という罪数処理を前提にしつつ、処断刑期を30年にする(30年の求刑をする)ためにわざと製造罪を起訴しないことも訴追裁量を逸脱していて許されない。
 奥村個人としては
   姦淫行為と撮影行為は観念的競合
   数回の撮影は包括一罪
という罪数処理がおかしいと思います。
つまり、観念的競合説はここで破綻する。

刑法
第12条(懲役)
懲役は、無期及び有期とし、有期懲役は、一月以上二十年以下とする。
2 懲役は、刑事施設に拘置して所定の作業を行わせる。
第14条(有期の懲役及び禁錮の加減の限度)
死刑又は無期の懲役若しくは禁錮減軽して有期の懲役又は禁錮とする場合においては、その長期を三十年とする。
2 有期の懲役又は禁錮を加重する場合においては三十年にまで上げることができ、これを減軽する場合においては一月未満に下げることができる。
第177条(強姦)
暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。