児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

監護者わいせつ罪及び監護者性交等罪における「監護者」とは?~少年法から

 少年保護手続の関係者としての定義をそのまま刑罰法規の構成要件に取り入れて問題ないのか。
 児童が婚姻した場合にどうなるのかという問題も出てきます。

 「監護する者」というのはあちこちの法文にありますが、

e-gov
検索指定用語 「監護する者」 AND検索(全法令) 
該当件数 8 件中 1 ~ 8 件分を表示しています。
選択 該当法令名 該当法令番号
選択 子ども・子育て支援法 (平成二十四年八月二十二日法律第六十五号)
選択 家事事件手続法 (平成二十三年五月二十五日法律第五十二号)
選択 行方不明者発見活動に関する規則 (平成二十一年十二月十一日国家公安委員会規則第十三号)
選択 出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令 (平成二年五月二十四日法務省令第十六号)
選択 母子保健法 (昭和四十年八月十八日法律第百四十一号)
選択 少年法 (昭和二十三年七月十五日法律第百六十八号)
選択 児童福祉法施行規則 (昭和二十三年三月三十一日厚生省令第十一号)
選択 児童福祉法 (昭和二十二年十二月十二日法律第百六十四号)

 刑事法で出てくるのは少年法だと思います

少年法
第二条
 この法律で「少年」とは、二十歳に満たない者をいい、「成人」とは、満二十歳以上の者をいう。
2 この法律で「保護者」とは、少年に対して法律上監護教育の義務ある者及び少年を現に◆監護する者◆をいう

ocrの誤変換で読みづらいですが、心眼で読んで下さい。

少年法実務講義案(三訂版)」2017司法協会p46
第8章事件の関係人
第1 保護者
1 意義
保護者とは.少年に対して法律上監護教育の義務有る者及び少年を現に監護する者をいい(法2Ⅱ) . Ii1者を法イ'1」。.の保洪淵・・後者を1$笑止の保護打という□
保捜荷・については, iil.に.少イ|聯‘ ll手統における地位や役割だけを考えるのではな
く, 少年の非行から岐終的il/ZちIII[ I)に至るまでの関わI) .つまり少イ|§の保謹全休の流れの中において. 少年群判手続というj"miをと‘う讐えていくかが人切である。それ
は.少年の保謹行成が'1《|家機関による鏑IIZ教育だけで可能なものではなく、保識者の監謹, 協力があって初めて達成できるものであるからである、保護処分1 ' 1.保批観察にあっては. 目'七における保護打。(糊) と少年との人IIIl l卿係が砿要な要素であI) .少イ|畠院送致にあっても院|ノ1での教育が終j'すれば.退院(仮退院) し,社会に戻るのであるから. やはりli1じ状況が生じる『少年院イf院! | !の孜育においても, 少イドのやる気やlW'l' l'l9安定のためには側lmからの保I潅判・の協力が必要である。
これらのllll題解決のために,保護処分に付する前の少イ|辮判手続の中での具体的な
保謹将の地位.役割が論ぜられている。
(1) 法律上の保護者
少年に対し、法律121儲護教育の義務ある汁としては. 親権者・(lt":818. 819.820) . 親椛代イj:者(災法833. 867).怖獲荷(氏法749. 766, 771. 788)、未成年後兇人(1t法839, 841. 857)及び児童柵祉施設の災(児陥法47)等がある‘
(2) 事実上の保護者
少年を現にI朧波する荷としては. 少年を1跳止. いわば親代わりとして現に!臓喚しておれば足り.必ずしも少イ|ミとl'ilル'}している必要はないが. ある程度継続的に少年の姓活全般にわたって. 一般的に朧'|\, 綿I 雌していることが必要であると解されているゞしたがって. 住み込み就労! | !の雁主. 簾又は寄術村の叢長又は奔騰. jl!親,継父|ソ言.親椛勝の委託により又はその他の,II,l・,'iにより親椛者に代わって少年を保謹朧杼する親族(例えば.親椛粁でない災父又は災Iリ)などがこれに)'1たる‐ただ.迎勤している少年の雁iミや'γ:校の教師簿は. ・般的には4町き上の保護渦・にI"'1しないであろう. また. やくざの親分.光榊i『iのi《人,誘拐. 暴力行為によって少年を支配している者などはたとえ外側刷跳kの'儲謹を行っていたとしても. 斗跳kの保渡者に該」11しないと考えられる( ミ少、|汎I -)1x86)。
(3) 法律上の保護者と事実上の保護者との関係
り#実上の保護荷は,法律lさの保謹荷がないか.現に監護を行っていない場合に初めて認められるとする見解と.法律上の保護荷が監謹を行っているか否かにかかわらず, 1'11者は重襖して存在し得るとする兄解とがある。
実際|皇の問題として.例えば親椛苫である父が|W婚し、実父と継川:が典|可して少年を監謹している場合などを考えれば, 後判・の兇解が妥当のように思われる。
法律|皇の保護村,特に法定代理人である保i獲者のほかに,事実上の保識者が認められ、その荷を保護稀としてIIyび出すのが机、\であったとしても.法定代理人の保謹処分決定に対する抗告椎を実質的に保|瞳するために.法定代理人もなるべく辮判期日に呼び出すよう配慮する取扱いが望ましいといわれている二
(4) その他
少年が幡姻した場合に. その父lf又は配偶荷は.保挫折とな')得るかという問題がある。少年が幡姻すれば,父雌. 配偶苫とも法律上の保漉者に該>I1しないことは明らかである。したがって. 後に述べるように抗告椎がなくなることに注意しなければならない。4;実上の保談行については. それが実際的な概念であるところから, 父杜とlil届している場合や配偶者が成人の場合には. これに当たる場合があろ
うといわれている。
また. 20歳以上の:哲に対して. 少年法が適用又は準用される場合(更ノ|ミ保樅法68Ⅱ,準少年保護li件),保洪者に相>I1するものを認めるべきかどうかについても間迦があるが.実質''19に保謹荷的立場にある者を審判に立ち会わせ、意兇陳述の機会を与えているのが実務上の取扱いである(改少脚f)251, 412、487)

コンメンタール少年法p47
保護者
保護者とは,少年に対して法律上監護教育の義務ある者および少年を現に監護する者をいう(少2条l項)。前者を法律上の保護者,後者を事実上の保護者という。
(1 )法律上の保護者
少年に対し,法律上監護教育の義務ある者としては,親権者(民818条'820条),親権代行者(民833条, 867条),監護者(民749条, 766条, 771条, 788条),未成年後見人(民839条, 841条, 857条)および児童福祉施設の長(児福47条)等がある。これらの立場にあれば,少年を現に手許に置いて監護教育を行っている必要はない。
財産管理権を喪失中の父母(民835)で、あっても法律上監護教育の義務がある者といえる
(2) 事実上の保護者
少年を現に監護する者であり,少年を事実上,いわば親代わりとして現に監護しておれば足り,必ずしも少年と同居している必要はないが,ある程度継続的に少年の生活全般にわたって,一般的に監督,監護していることが必要である(裁判所職員総合研修所(2012a)44頁)。したがって,住み込み就労中の雇主,寮または寄宿舎の寮長または舎監,里親,継父母,親権者の委託によりまたはその他の事情により組権者に代わって少年を保護監督する親族(例えば,親権者でない実父または実母)などはこれにあたるといえる。25条2項の試験観察における補導委託先の施設団体の責任者もこれに該当する場合がある(団藤=森田(1984) 25頁)。しかし,通勤している少年の雇主や学校の教師等は,一般的には事実上の保護者に該当しないであろう。また,保護者は法が一定の権利義務を認める法律上の地位であるから,例えば,やくざの親分,売春桁の主人,誘拐・暴力行為によって少年を支配している者などは,たとえ外観上事実上の監護を行っているように見えたとしても,事実上の保護者には該当しなし、(菊池(1972)3頁。
(3) 法律上の保護者と事実上の保護者との関係
事実上の保護者は,法律の保護者がないか,現に監護を行っていない場合に,初めて認められるとする見解(平場(1987)94)と,法律上の保護者が監護を行っているか否かにかかわらず,両者は重複して存在し得るとする見解(札幌高決s33・6・17家月10・7・70)がある。法律上の保護者,特に法定代理人である保護者のほかに,事実上の保護者が認められる場合,いずれを保護者として呼び出すのが相当であるかは裁判官が合理的に裁量し決定すべきであるが,保護処分に付するときには,特に法定代理人の抗告権の実質的保障に留意して,法定代理人もなるべく審判期日に呼び出すよう配慮する取扱いが望ましい。
なお,少年が婚姻した場合,父母および少年の配偶者とも法律上の保護者には該当しない。したがって,抗告権は有しないことになるが,事実上の保護者の地位は,実際的な概念であるところから,父母と同居している場合や配偶者が成人の場合には,これに当たると考えられる場合もあろう。

H29.7.12から7.13に掛けて行われた強姦・強制わいせつ行為には、新法が適用される

 改正刑法附則2条1項に「この法律の施行前にした行為の処罰については、なお従前の例による。」という規定がありますが、これは、施行前に実行行為が終了した場合の規定であり、実行行為が、施行前と施行後にまたがる場合には、新法が適用されます。
 後日立件されて、実行行為の終期の細かい時刻が問題になる事件も出てきそうです。

http://blogos.com/article/234189/
先の通常国会で成立した、性犯罪を厳罰化する改正刑法があす13日、施行される。性犯罪の被害者による切実な訴えが結実したもので、公明党も会期内での早期成立を強力に推進してきた。性犯罪に関する規定の抜本的な見直しは、1907年に現行の刑法が制定されて以来、初めて。

改正法では、強姦罪の名称を「強制性交等罪」に変えた上で、法定刑の下限を懲役3年から5年に引き上げた。男女ともに加害者、被害者になり得ることから性別を問わないようにした。また、被害者の告訴がなくても起訴できる「非親告罪」に改めた。

http://www.moj.go.jp/content/001227677.pdf
附則
(施行期日)
第一条この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
(経過措置)
第二条
1この法律の施行前にした行為の処罰については、なお従前の例による。
2この法律による改正前の刑法(以下「旧法」という。)第百八十条又は第二百二十九条本文の規定により告訴がなければ公訴を提起することができないとされていた罪(旧法第二百二十四条の罪及び同条の罪を幇助する目的で犯した旧法第二百二十七条第一項の罪並びにこれらの罪の未遂罪を除く。)であってこの法律の施行前に犯したものについては、この法律の施行の際既に法律上告訴がされることがなくなっているものを除き、この法律の施行後は、告訴がなくても公訴を提起することができる

条解刑法
2) 犯罪後の法律
犯罪後
犯罪後とは,実行行為終了時を標準とする。結果の発生時も,処罰条件が備わった時期も,標準とはならない。新旧法律の区別は,その公布時期ではなく,施行時期による。
犯罪の実行行為が新旧両法にまたがるときには,犯罪後法律による刑の変更があったときとはいえないので,本条の適用はなく,新法が適用される。
すなわち,継続犯の行為が,新旧両法にまたがる場合,新法が適用される(鉄砲の所持罪につき最判昭27・9・25集6-8-1093,外国人登録の不申請罪につき最判昭31・5・4集10-5-633)。
営業犯,包括一罪についても同様である(麻薬常習罪につき最決昭30・3・24集9-3-511)。なお,常習犯処罰規定が新設された場合については.前後にまたがる行為が不可分の関係にあって一罪と認められる場合でない限りこれを新法の施行前後によって区分しそれぞれ行為時法に従って処断すべきである(最大判昭31・12・26集10-12-1746)。
科刑上一罪についても,新旧両法にまたがるときには新法の適用があるとするいくつかの大審院判例がある(牽連犯につき,大判明42・11・1録151498,大判明42・12・3録15 1725,大判昭17・8・3集21-393)が科刑上一罪は実質的には数罪であることから,学説には反対の見解もある((新)注釈(1湖。もっとも,科刑上ー罪の場合は最も重い罪の刑により処断されることになるので,新法施行後の犯罪行為が最も重い罪であれば,いずれの見解でも新法の刑により処断されることとなる(大コンメ2版( 1)104))。
共犯について,その行為が旧法下で終了し,正犯の行為が新法下で実行された場合,古い判例は,討助犯につき正犯の実行行為時を標準としていた(大判明44・6・23録171252)が,その後の下級審判例は,このような場合,旧法を適用すべきものとしている(幇助犯につき大阪高判昭43・3・12高集21-2-126,教唆犯につき東京高判昭28・6・26高集6-10-1274参照。なお,(新)注釈( 1)48,大コンメ(1)91参照)。もっとも,共同正犯の場合は,正犯の 1人の最後の実行行為が終了したときが標準となる(大コンメ 2版(1)1 0。5)

「暑かったので服を脱いだ」として駅前の広場で衣服を脱ぎ、ブラジャーとパンツだけの姿になった行為と公然わいせつ罪

 公然わいせつ傾向犯説の判例があるので性欲満たす目的がないという点と、下着姿ではわいせつではないという点で、公然わいせつでは起訴されないと予想します。

刑法第一七四条(公然わいせつ)
 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
・・・
軽犯罪法1条
二十 公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者

条解刑法
3) わいせつわいせつの語は,本条以外でも用いられており,各条によってその解釈には若干の違いが生じるが本条においては次条の場合とほぼ同様に,性欲を刺激,興奮又は満足させる行為であり,普通人の性的差恥心を害し,善良な性的道義観念に反する行為をいうものと解される。次条注2同参照。
社会におけるいわゆる風俗営業の内容は,時代に応じて変化しているから,本罪に該当するわいせつな行為を指摘し尽くすことは困難である。わいせつの概念も社会と時代につれて変わり得るが,殊更に陰部を露出する行為や,性交又は性交類似の行為を公然と行うことが本罪に該当することは,当分変わらないであろう(注釈(4)282,大コンメ2版( 9113)。これまでにわいせつとされた具体的な例としては,陰部を露出するストリップショー(最判昭25・11・21集4-11-2355,最決昭30・7・1集9-9-1769),張り形を用いて行う性交の実演(最決昭32・5・22集115 1526)' 見物客にのぞかせながら密室内で行う性交の演技(大阪高判昭30・6・10高集85 649)等がある。他方,接吻や乳房を露出する行為は,それのみではわいせつといえないであろう(ポケット412

ポケット注釈刑法第3版
姦淫は猥褻行為であるが、接吻や乳房露出などはわいせつ行為ではない。入浴のためや美術上のモデルとなるためなど正当理由のある揚合でない限り、全抑制はおおむね狼裂の観念にはいるものと解されてきた。しかし、「猥褻」の概念は社会通念として変化しつつある。特別の姿態をしない単純な全裸は、美術鑑賞に近い場合として猥褻でないと認めてよいことも多くあるであろう。

池本判事 裁判例コンメンタール刑法
3 わいせつ行為
わいせつ行為は、基本的には後記175 条と向様、いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ普通人の正常な性的基恥心を脅し善良な性的道義観念に反するものである。この程度に至らない身体の一部露出、排尿行為等は軽犯罪法1 条20 号、26号違反となり得るにすぎない。
(2) 否定例
福島簡判昭33・1・18一審刑集1 ・1 ・21 は、いわゆる触り魔のような事案であるが、友性の臀部を着衣の上から数回手で撫でまわした行為の性的行為性を存定し、公然わいせつ罪を無罪としている。
なお、公然性との兼ねあいで、性器を露出してもわいせつ性が存定されることもあり得る(前田各論409、山中各論Ⅱ655) 。東京高判、H17 ・2 ・7く未>は、6 月ド旬の早暁に人通りのない路地で男性が墜に向かいズボンを下ろして陰部を露出した行為につき、ことさらに他人に示したとか性的興奮を満足させるための行為と認められないなどとして、公然わいせつ罪の成立を否定した。

https://this.kiji.is/256336321537196041?c=39550187727945729
43歳女「暑くて…」駅前で下着
わいせつ容疑で逮捕、静岡
2017/7/8 18:44
 JR静岡駅前の広場で衣服を脱ぎ、ブラジャーとパンツだけの姿になったとして、静岡中央署は8日、公然わいせつの疑いで自称、静岡県沼津市、無職の43歳の女を現行犯逮捕した。「暑かったので服を脱いだ」と供述している。
 静岡中央署によると、容疑者はピンクの半袖ポロシャツに黒の長ズボンを履いていたが、広場で突然脱ぎ捨てた。サンダルも脱いだという。目撃した通行人が近くの交番に通報した。
 逮捕容疑は8日午後1時40分ごろ、静岡市葵区の静岡駅北口の広場で、下着姿になった疑い。
 静岡地方気象台によると、8日の静岡市は快晴で、午後1時半の気温は29.8度だった。

「強いてわいせつな行為をしようと考え,同年11月26日午後8時38分頃,名古屋市名東区内のマンション4階に停止しているエレベーターの出入口付近において,エレベーター内の奥側にいたC(当時17歳)に対し,「見てくれ。見てくれ。」などと言いながら,その面前で自己の陰茎を露出させて自慰行為をして射精するなどし,もって強いてわいせつな行為をした,」という強制わいせつ事件(名古屋地裁H28.4.5)

 眼前自慰

「平成29年版 警察実務 重要裁判例」警察公論第72巻第8号付録2017立花書房
被告人が,エレベーターの出入口付近において,その奥側にいた被害者の面前で自慰行為をして射精した行為につき,脅迫及びわいせつな行為に当たるとして強制わいせつ罪の成立を認めた事例

3強制わいせつ罪にいう「わいせつな行為」とは, いたずらに性欲を興奮又は刺激させ, かつ,普通人の正常な性的差恥心を害し,善良な性的道徳観念に反する行為をいうものと解されている(名古屋高金沢支判昭和36年5月2日下刑集3巻5=6号399頁)。
本判決は,被告人が, エレベーター内という狭く逃げ場のない空間で,至近距離にいる被害者の面前で自慰行為を行った点をとらえて,被告人の行為が明らかに被害者の性的蓋恥心を害し, その性的自由を害するものであるとして, 「わいせつな行為」に該当すると判示した。
なお,本判決は,被害者が被告人の陰茎等を直接見ていないことは強制わいせつ罪の成否に影響しないと判示した。本件においては,被害者が被告人の自慰行為等のわいせつ行為の存在を認識しており, その性的蓋恥心及び性的自由を侵害するものであったことは明らかであるので。判示はもとより正当である。
本件におけるわいせつ行為は、被害者の身体への接触を伴うものではないが。被害者の身体への接触を伴わない場合であっても。例えば裸にして写真をとる行為は「わいせつな行為」に該当すると解されている(東京高判昭和29年5月29日高刑特報40号138頁。東京地判昭和62年9月16日判時1294号143頁)。
本判決は,強制わいせつ罪が成立し得る事実関係について具体的に判示したものであり,実務上参考になると思われる。

強制わいせつ致傷,住居侵入,強姦,強制わいせつ被告事件
名古屋地方裁判所判決 平成28年4月25日
 被告人は,
第1 強姦の目的で,平成26年6月11日午後11時頃,愛知県大府市内のA方に,その無施錠の玄関ドアから侵入し,その頃,同所において,同女(当時22歳)に対し,「声を出したら殺す。」などと言って脅迫した上,ベッドに横たわる同女に覆いかぶさるなどの暴行を加えてその反抗を抑圧し,強いて同女を姦淫した,
第2 強姦の目的で,同年7月22日午前2時10分頃,名古屋市千種区内のB方に,その無施錠の玄関ドアから侵入し,その頃,同所において,同女(当時22歳)に対し,その口に手を当てた上,「声出したら殺すよ。」などと言って脅迫して,その反抗を抑圧し,強いて同女を姦淫した,
第3 強いてわいせつな行為をしようと考え,同年11月26日午後8時38分頃,名古屋市名東区内のマンション4階に停止しているエレベーターの出入口付近において,エレベーター内の奥側にいたC(当時17歳)に対し,「見てくれ。見てくれ。」などと言いながら,その面前で自己の陰茎を露出させて自慰行為をして射精するなどし,もって強いてわいせつな行為をした,
第4 強いてわいせつな行為をしようと考え,平成27年2月11日午後11時58分頃,名古屋市名東区内の路上において,D(当時30歳)に対し,その上半身に腕を回して抱き付き,「騒ぐな。」,「殺すぞ。」などと言って脅迫し,さらに,同女の頸部を手で絞めるなどしてうつ伏せに転倒させた上,その頸部を手で押さえ付けるなどの暴行を加えてその反抗を抑圧し,同女が履いていたパンツ内に手を差し入れてその陰部に手指を挿入して弄び,同女を立ち上がらせて近くの民家北側の路上まで連行し,「いかせてくれるだけでいい。」,「やらないとレイプするか殺す。」,「仲間を呼ぶぞ。」,「刃物を持っている。」などと言って脅迫し,さらに,同女を同民家敷地内のガレージ内に連行し,露出させた陰茎を示しながら,「なめて。」,「殺すぞ。」,「刺すよ。」,「やらないと本当に殺すよ。」などと言って脅迫し,同女に陰茎を口淫させ,もって強いてわいせつな行為をし,その際,上記暴行により,同女に全治約1週間を要する頸椎捻挫,前額部及び両膝関節部擦過傷等の傷害を負わせた,
第5 強いてわいせつな行為をしようと考え,同月16日午後9時21分頃から同日午後9時30分頃までの間,名古屋市港区内のマンション北東側出入口付近において,E(当時22歳)に対し,その背後から抱き付き,同女の着衣の中に右手を入れて,その左胸を揉み,タイツの上から左手で陰部を触るなどした上,その口に接吻し,さらに,面前で自慰行為をして射精するなどし,もって強いてわいせつな行為をした。
・・・
2 判示第3の事実について
  弁護人は,事実関係を認めた上で,判示第3の行為が強制わいせつに該当することについては疑問を呈している。
  そこで検討するに,被告人は,マスクをして顔面を隠し,夜間,マンションのエレベーター内において,当時17歳の女子高校生であったCに対し,上記エレベーターの出入口(間口80センチメートル程度)を塞ぐようにして立ち,自身の陰茎を露出した上,数十センチメートルの距離に近づいて「見てくれ。」などと迫るように言い,Cが「やめてください。」と言うのも構わず,自慰行為を行ったことが認められる。このような状況からすれば,Cとしては,自慰行為にとどまらず,何らかの性的な行為をされるかもしれないと感じ,抵抗することが著しく困難になると認められる。したがって,被告人の行為は脅迫に当たる。
  また,被告人は,上記のとおり,エレベーター内という狭く逃げ場のない空間で,至近距離にいるCの面前で自慰行為を行った。このような行為は,明らかにCの性的羞恥心を害し,その性的自由を侵害するものであるから,わいせつ行為に当たる。なお,Cは,被告人の陰茎等を直接見ていないことがうかがわれるが,面前で自慰行為を行うことにより強制わいせつ罪が成立するから,Cが直接これを見たか否かはその成否に影響しない。

実在する児童の裸体が撮影された写真を素材として編集されたコンピューターグラフィックスの作成,委託販売につき,児童ポルノの製造罪及びその提供罪の成立を認めた事例(東京高判平29. 1 .24)「平成29年版 警察実務 重要裁判例」警察公論第72巻第8号付録2017

実在する児童の裸体が撮影された写真を素材として編集されたコンピューターグラフィックスの作成,委託販売につき,児童ポルノの製造罪及びその提供罪の成立を認めた事例(東京高判平29. 1 .24)「平成29年版 警察実務 重要裁判例」警察公論第72巻第8号付録2017
 31/34画像が無罪になったことには言及なし

判旨
なお,本判決の主文では,原判決(懲役1年及び罰金30万円,懲役刑につき,3年間執行猶予)が破棄され, 罰金30万円の刑罰が言い渡され, さらに,公訴事実の一部(CG集「聖少女伝説」を提供した事実)につき,無罪とされているが, これは,本判決において量刑が見直されたことや, CG集「聖少女伝説」(原判決・本判決共に, 同CG集には児童ポルノに該当するものを認定できないとされたもの)の提供の事実と,罪となるべき事実である「聖少女伝説2」の提供の事実の関係が,原判決が認定したように一罪の関係ではなく,併合罪の関係にある(そのため, 「聖少女伝説」の提供の事実について,無罪を言い渡す必要がある) と判断されたことによるものであり, 原判決と本判決の間で,被告人が作成したCGの児童ポルノ該当性の判断が異なったわけではない。
・・・
解説
本判決も判示するとおり,児童ポルノ法が規制する児童ポルノには,児童を直接撮影した写真や動画に限られるものではなく,絵画や合成写真も含み得るものであることは,児童ポルノ法制定時の法案審議においても明らかにされていたところであり.本件CGがCGであるという理由だけで児童ポルノ該当性を否定されるものではないことは, 当然の結論であると言える。
その上で,本判決の判示事項で実務上参考となると思われるのは, いかなる場合にCGが児童ポルノに該当するかということについて, その具体的な判断過程・方法を明らかにしている点であろう。
すなわち,本件CGの児童ポルノ該当性に関する検察官の立証構造は,①本件CGを描写する元となったヌード写真(素材画像)が収められた写真集等の存在から, そのヌード写真の被写体となった女性が実在することを立証し(この素材画像の被写体である児童の実在性について,本判決も, それを肯定する原判決の事実認定を前提としている。),②専門的知見を有する医師の証言により, そのヌード写真の被写体の女性が18歳未満であるという児童性を立証し,③本件CGの作成方法や本件CGと素材画像の客観的類似性などから,本件CGと素材画像の同一性を立証する(その結果,本件CGに描かれた児童の実在性や児童性も肯定される) というものであり.本判決及び原判決は, そのような立証構造を前提として,各点についての判断を下したものである。
そのため,立件対象とする児童ポルノが絵画や合成写真, CG等であり,捜査機関において当該児童ポルノに描写された児童が特定できておらず, 当該児童の実在性, 当該児童の年齢。当該児童ポルノ内の人物像と実在する児童との同一性が問題となるような事案の捜査にあたり,本判決(及び原判決)の判示は,大いに参考になるものと思われる。

警察庁 刑法の一部を改正する法律の公布について(通達

 通達が発せられた。

https://www.npa.go.jp/laws/notification/keiji/keiki/keiki-290623/keiki-290623keihou.pdf
刑法の一部を改正する法律の公布について(通達)
刑法の一部を改正する法律(平成29年法律第72号。以下「改正法」という。)が、本日、別添1 (新旧対照条文については、別添2) のとおり公布された。本改正の趣旨及び要点は下記のとおりであるから、事務処理上遺漏のないようにされたい。
なお、この通達において、「新法」とは改正法による改正後の刑法(明治40年法律第45号)をいい、「旧法」とは改正法による改正前の刑法をいうものとする。

1 改正の趣旨
近年の性犯罪の実情等に鑑み、事案の実態に即した対処をするため、刑法を改正し、所要の法整備を行うもの。
2 改正の要点
(1) 強姦罪の構成要件及び法定刑の見直し等(新法第177条、第178条第2項及び第181
条第2項関係)
強姦罪の構成要件について、「女子を姦淫した」としていた規定を、性別を間わず、人に対し「性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした」に改めるとともに、その法定刑を「3年以上の有期懲役」から「5年以上の有期懲役」に引き上げ、罪名を強制性交等罪とする。
あわせて、強制性交等罪等に係る致死傷の罪の法定刑を「無期又は6年以上の懲役」とする。
これに伴い、集団強姦等の罪及び集団強姦致死傷等の罪を廃止することとする。
(2) 監護者わいせつ罪及び監護者性交等罪の新設(新法第179条関係)
18歳末満の者に対し、.その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為又ば性交等をした場合について、強制わいせつ罪又は強制性交等罪と同様に処罰する規定を新たに設ける。
(3) 強盗強姦罪の構成要件の見直し等(新法第241条関係)
強盗強姦罪の構成要件について、「強盗が女子を姦淫した」としていた規定を、強盗行為と強制性交等の行為の先後関係を間わず、強盗罪を犯した者が強制性交等罪を犯したとき、又は強制性交等罪を犯した者が強盗罪を犯したときは、無期又は7年以上の懲役に処するものとし、罪名を強盗・強制性交等罪とする。
(4) 強姦罪等の非親告罪化(旧法第180条及び新法第229条関係)
強姦罪準強姦罪、強制わいせつ罪及び準強制わいせつ罪を親告罪とする規定を削除し、非親告罪とする。
あわせて、わいせつ目的・結婚目的の略取・誘拐罪等についても非親告罪とする。
3 施行期日(改正法附則第1条関係)
公布の日から起算して20日を経過した日(平成29年7月13日)から施行する。
4 経過措置
(1) 処罰に関する経過措置(改正法附則第2条第1項関係)
改正法の施行前にした行為の処罰については、旧法の規定を適用する。
(2) 強姦罪等の非親告罪化に関する経過措置(改正法附則第2条第2項及び同条第3
項関係)
改正法により強姦罪等の性犯罪を非親告罪化するに際して、改正法の施行前にした行為についても、改正法の施行後は、施行時において既に法律上告訴がされることがなくなっているものを除き、非親告罪として取り扱うものとする。
5 附帯決議
改正法の国会審議に際し、衆議院法務委員会において別添3の、参議院法務委員会において別添4の附帯決議がそれぞれなされていることから、その趣旨を十分に踏まえた対応に努められたい。

販売提供目的で1号3号児童ポルノかつわいせつ電磁的記録であるHDDを被告人方で所持した行為を「保管罪」とした事例(某地裁H27)

 被告人方で現実に支配している場合は保管罪ではなく所持罪です。
 こういう法文ですので、わいせつの方は、同じ条項になりますが、児童ポルノ法では「7項後段」と摘示すると保管罪だけになります。
 弁護人も気付かないかなあ。

児童ポルノ
7項後段
同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。

刑法
第175条(わいせつ物頒布等)
2有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。

訴因罰条変更申請書
1 公訴事実全文を
「被告人は 不特定又は多数の者に有償で頒布提供する目的で
平成29年7月6日、被告人方において 
記録媒体である外付けHDDに児童を相手方とする性交または性交類似行為にかかる児童の姿態を視覚により認識できる方法により描写した児童ポルノであり、かつ男女の性交場面や性器を露骨に撮影したわいせつな動画データを記録した電磁的記録5点を保管し
2 同日 千代田区ビル内に設置された甲社が管理するサーバーコンピュータ内において 
児童を相手方とする性交または性交類似行為にかかる児童の姿態を視覚により認識できる方法により描写した児童ポルノであり、かつ男女の性交場面や性器を露骨に撮影したわいせつな動画データを記録した電磁的記録2点及び衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものでありかつ 男女の性器を露骨に撮影したわいせつな動画データを記録した電磁的記録2点を保管し
たものである」
に改める

判決の法令適用
児童ポルノ7条7項後段 6項後段 前段 刑法175条2項 1項後段 前段
54条1項前段 10条
18条
25条1項
19条1項1号 2項本文
刑訴法181条1項本文

少女を自宅に保護して後輩女性を呼んで「県警なんでも相談電話(#9110)」に通報した事例

 青少年条例の深夜同伴罪を検討すると、「正当な理由がある場合」ということになるでしょう。
 未成年誘拐とか声かけ事例とかを見ていると、勇気が要りますよね。その場で110番するのが無難です。

兵庫県少年愛護条例の解説H24
(深夜外出の制限)
第24条保護者は、特別の事情がある場合を除くほか、深夜に青少年を外出させないようにしなければならない。
2 何人も、保護者の委託を受け、又は承諾を得た場合その他正当な理由がある場合を除き、深夜に、青少年をその住所若しくは居所(以下「住所等」という。)から連れ出し、又はその住所等以外の場所に居させてはならない。
3 深夜に営業を営む者及びその代理人、使用人その他の従業者は、深夜に当該営業の場所にいる青少年に対し、帰宅を促すよう努めなければならない。

【要旨】
この条は、青少年の深夜外出を制限することにより、青少年の不良化や事件に巻き込まれる被害等を防止するため保護者の義務を定めるとともに、第三者による正当な理由のない深夜の連れ出し行為等を制限し、また、深夜に営業を営む者等にその営業の場所にいる青少年に対し帰宅を促す義務を課したものである。
【解説】
1 第1項の「特別の事情がある場合」とは、社会通念上相当と認められる事情のある場合で、夜学、夜勤、早朝の新聞配達、火災等の緊急事態が発生した場合等をいい、慣習として深夜にわたって行われる祭礼、盆祭り、花火大会その他健全な目的を有する青少年のグループ活動の場合もこれに含まれる。
2 「外出」とは、自己の住居を離れる場合をいい、保護者の監視下にある場合は含まれない。
3 第2項の「正当な理由」とは、保護者の不在中の火災、盗難、病気等の緊急事態の場合をいう。
4 「連れ出し」とは、青少年をその住所、居所から離れさせることであり、その手段は問わない。したがって、携帯電話やメール等を利用して呼び出したり、若しくは第三者を介する行為も該当する。
5 「居させる」とは、連れ出し、又は現に同行し若しくは同席する等、同一行動を取っている青少年を、その住所又は居所以外の場所に置くことであり、その手段は問わない。青少年が帰宅する意思を翻意させる場合はもとより、青少年が自らの意思でその住所又は居所以外の場所に居ることを黙認している場合も「居させる」に該当する。連れ出し、又は同行し若しくは同席する等、同一行動を取る行為が深夜前に行われた場合であっても深夜に青少年がその住所又は居所以外の場所に居る状態にあれば「深夜に、居させる」に該当する。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170705-00000003-kobenext-l28
家庭内暴力被害の中1女子、大学生が救う 兵庫
7/5(水) 7:33配信 神戸新聞NEXT
家庭内暴力被害の中1女子、大学生が救う 兵庫
女子生徒を保護し、関貫晴夫署長から感謝状を受け取った関西学院大の森田悠斗さん=宝塚署
 父親から暴力を振るわれていた兵庫県西宮市内の中学1年の女子生徒(12)の保護に尽力したとして宝塚署は4日、関西学院大2年の森田悠斗さん(19)=宝塚市=に署長感謝状を贈った。森田さんは女子生徒の気持ちをほぐして窮状を聞き出し、県警に連絡した。

【写真】1歳次男が「泣き止まないから」床に落とし蹴る 2年前にも長男虐待疑い

 6月2日夜、森田さんは阪急門戸厄神駅近くの商店の前で、雨宿りする女子生徒に気付いた。大雨で雷も鳴っていたため、持っていた傘を手渡した。そのまま帰ろうとしたが、女子中学生が追いかけてきて、涙を流しながら「家に帰れない。父親に殴られている」と打ち明けたという。
 森田さんは警察に行くことを勧めたが、女子生徒が嫌がったため、大学の後輩の女性を呼び、森田さんの自宅で話をすることにした。ジュースとお菓子を出し、後輩の女性とともに約2時間話を聞いた。女子生徒は徐々に打ち解け、時折笑顔も見せるようになった。
 森田さんは話を聞く中で、父親の暴力は「しつけとは違う」と感じた。顔を殴られていると話す女子生徒は、マスクを一度も取らなかった。「父親と顔を合わすと殴られる」といい、父親が起きる前に学校に行き、夜は父親が就寝してから家に帰る生活を続けていると打ち明けた。
 森田さんは「助けてあげなくては」と思い、「県警なんでも相談電話(#9110)」に通報。女子生徒は児童相談所に保護され、現在、父親とは離れて暮らしているという。
 県警によると、1~5月に寄せられた児童虐待に関する相談は宝塚署で20件(前年同期比3件増)、県内全体では768件(同280件増)に及んでいる。警察官を目指す森田さんは「虐待がこんなに身近だとは思わなかった。女子生徒がこれから幸せに暮らしてほしい」と話していた。(小谷千穂)

(東京都の迷惑防止条例より)で、路上で衣服の上から撮影してもこの条例違反にはなりません。また、録音だけを処罰する法令は特にありません。時光祥大(ときみつしょうた)弁護士(東京弁護士会所属)

 東京都条例では5条2号で盗撮を禁止していますが、該当しない場合に3号で包括的に「卑わいな言動」を禁止していて、判例によれば「卑わいな言動」=社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作で着衣でも該当しうるというので、「路上で衣服の上から撮影」する行為についても「卑わいな言動に当たることがある」というのが正解になります。

http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/ag10122121.html
粗暴行為(ぐれん隊行為等)の禁止)
第五条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
一 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
二 公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部若しくは一部を着けない状態でいる場所又は公共の場所若しくは公共の乗物において、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
三 前二号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反被告事件
【事件番号】 最高裁判所第3小法廷決定平成20年11月10日
【掲載誌】  最高裁判所刑事判例集62巻10号2853頁
       裁判所時報1471号372頁
       判例タイムズ1302号110頁
       判例時報2050号158頁
       LLI/DB 判例秘書登載
【評釈論文】 ジュリスト1433号114頁
       法曹時報63巻10号2545頁
弁護人古田渉の上告趣意のうち,憲法31条,39条違反をいう点については,公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和40年北海道条例第34号)2条の2第1項4号の「卑わいな言動」とは,社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作をいうと解され,同条1項柱書きの「公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し,正当な理由がないのに,著しくしゅう恥させ,又は不安を覚えさせるような」と相まって,日常用語としてこれを合理的に解釈することが可能であり,所論のように不明確であるということはできないから,前提を欠き,その余は,単なる法令違反,事実誤認の主張であり,被告人本人の上告趣意は,単なる法令違反,事実誤認の主張であって,いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。
 所論にかんがみ,職権で検討するに,原判決の認定及び記録によれば,本件の事実関係は,次のとおりである。
 すなわち,被告人は,正当な理由がないのに,平成18年7月21日午後7時ころ,旭川市内のショッピングセンター1階の出入口付近から女性靴売場にかけて,女性客(当時27歳)に対し,その後を少なくとも約5分間,40m余りにわたって付けねらい,背後の約1ないし3mの距離から,右手に所持したデジタルカメラ機能付きの携帯電話を自己の腰部付近まで下げて,細身のズボンを着用した同女の臀部を同カメラでねらい,約11回これを撮影した。
 以上のような事実関係によれば,被告人の本件撮影行為は,被害者がこれに気付いておらず,また,被害者の着用したズボンの上からされたものであったとしても,社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらな動作であることは明らかであり,これを知ったときに被害者を著しくしゅう恥させ,被害者に不安を覚えさせるものといえるから,上記条例10条1項,2条の2第1項4号に当たるというべきである。これと同旨の原判断は相当である。
 よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官田原睦夫の反対意見があるほか,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。

https://top.tsite.jp/news/geinou01/o/36233135/?sc_int=tcore_news_geinou

    • 記者

特定の人を執拗に追い掛け付きまとい、本人には気付かれないように写真や音声を記録し、その写真や音声を不特定多数の人に勝手に公開する行為。これを仮に私たちがおこなったら、どのような罪に問われるのでしょうか?

    • 時光先生

では、単につきまとうだけでなく、写真撮影や録音をおこなった場合はどうでしょうか。写真撮影を処罰する法令として、各都道府県の迷惑防止条例がありますが、これは「公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部若しくは一部を着けない状態でいる場所又は公共の場所若しくは公共の乗物において、人の通常衣服で隠されている下着又は身体」の写真撮影を処罰するもの(東京都の迷惑防止条例より)で、路上で衣服の上から撮影してもこの条例違反にはなりません。また、録音だけを処罰する法令は特にありません。

というワケで、今回は“マスコミ取材”について、弁護士の時光祥大先生に色々とお話を伺いました。そもそもストーカー規制法とは、「恋愛感情」が発端になっていなければ適用される法律ではないとの事。また、迷惑防止条例においては衣服着用であれば条例違反に当たらないとの事。なんとなく当たり前に法律で守られていると思っていたことがまったく守られていない状況に驚きが隠せません。

少女を自宅に保護して後輩女性を呼んで「県警なんでも相談電話(#9110)」に通報した事例

 青少年条例の深夜同伴罪を検討すると、「正当な理由がある場合」ということになるでしょう。
 未成年誘拐とか声かけ事例とかを見ていると、勇気が要りますよね。その場で110番するのが無難です。

兵庫県少年愛護条例の解説H24
(深夜外出の制限)
第24条保護者は、特別の事情がある場合を除くほか、深夜に青少年を外出させないようにしなければならない。
2 何人も、保護者の委託を受け、又は承諾を得た場合その他正当な理由がある場合を除き、深夜に、青少年をその住所若しくは居所(以下「住所等」という。)から連れ出し、又はその住所等以外の場所に居させてはならない。
3 深夜に営業を営む者及びその代理人、使用人その他の従業者は、深夜に当該営業の場所にいる青少年に対し、帰宅を促すよう努めなければならない。

【要旨】
この条は、青少年の深夜外出を制限することにより、青少年の不良化や事件に巻き込まれる被害等を防止するため保護者の義務を定めるとともに、第三者による正当な理由のない深夜の連れ出し行為等を制限し、また、深夜に営業を営む者等にその営業の場所にいる青少年に対し帰宅を促す義務を課したものである。
【解説】
1 第1項の「特別の事情がある場合」とは、社会通念上相当と認められる事情のある場合で、夜学、夜勤、早朝の新聞配達、火災等の緊急事態が発生した場合等をいい、慣習として深夜にわたって行われる祭礼、盆祭り、花火大会その他健全な目的を有する青少年のグループ活動の場合もこれに含まれる。
2 「外出」とは、自己の住居を離れる場合をいい、保護者の監視下にある場合は含まれない。
3 第2項の「正当な理由」とは、保護者の不在中の火災、盗難、病気等の緊急事態の場合をいう。
4 「連れ出し」とは、青少年をその住所、居所から離れさせることであり、その手段は問わない。したがって、携帯電話やメール等を利用して呼び出したり、若しくは第三者を介する行為も該当する。
5 「居させる」とは、連れ出し、又は現に同行し若しくは同席する等、同一行動を取っている青少年を、その住所又は居所以外の場所に置くことであり、その手段は問わない。青少年が帰宅する意思を翻意させる場合はもとより、青少年が自らの意思でその住所又は居所以外の場所に居ることを黙認している場合も「居させる」に該当する。連れ出し、又は同行し若しくは同席する等、同一行動を取る行為が深夜前に行われた場合であっても深夜に青少年がその住所又は居所以外の場所に居る状態にあれば「深夜に、居させる」に該当する。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170705-00000003-kobenext-l28
家庭内暴力被害の中1女子、大学生が救う 兵庫
7/5(水) 7:33配信 神戸新聞NEXT
家庭内暴力被害の中1女子、大学生が救う 兵庫
女子生徒を保護し、関貫晴夫署長から感謝状を受け取った関西学院大の森田悠斗さん=宝塚署
 父親から暴力を振るわれていた兵庫県西宮市内の中学1年の女子生徒(12)の保護に尽力したとして宝塚署は4日、関西学院大2年の森田悠斗さん(19)=宝塚市=に署長感謝状を贈った。森田さんは女子生徒の気持ちをほぐして窮状を聞き出し、県警に連絡した。

【写真】1歳次男が「泣き止まないから」床に落とし蹴る 2年前にも長男虐待疑い

 6月2日夜、森田さんは阪急門戸厄神駅近くの商店の前で、雨宿りする女子生徒に気付いた。大雨で雷も鳴っていたため、持っていた傘を手渡した。そのまま帰ろうとしたが、女子中学生が追いかけてきて、涙を流しながら「家に帰れない。父親に殴られている」と打ち明けたという。
 森田さんは警察に行くことを勧めたが、女子生徒が嫌がったため、大学の後輩の女性を呼び、森田さんの自宅で話をすることにした。ジュースとお菓子を出し、後輩の女性とともに約2時間話を聞いた。女子生徒は徐々に打ち解け、時折笑顔も見せるようになった。
 森田さんは話を聞く中で、父親の暴力は「しつけとは違う」と感じた。顔を殴られていると話す女子生徒は、マスクを一度も取らなかった。「父親と顔を合わすと殴られる」といい、父親が起きる前に学校に行き、夜は父親が就寝してから家に帰る生活を続けていると打ち明けた。
 森田さんは「助けてあげなくては」と思い、「県警なんでも相談電話(#9110)」に通報。女子生徒は児童相談所に保護され、現在、父親とは離れて暮らしているという。
 県警によると、1~5月に寄せられた児童虐待に関する相談は宝塚署で20件(前年同期比3件増)、県内全体では768件(同280件増)に及んでいる。警察官を目指す森田さんは「虐待がこんなに身近だとは思わなかった。女子生徒がこれから幸せに暮らしてほしい」と話していた。(小谷千穂)

1999年に被害者保護の努力義務の法文ができたのに、2017年に被害児童保護が始動したという話


 1999年以降何もしておらず、調査研究もしてないんですが、2017年になって被害者保護を始めるようです。
 1999年当時の被害0歳の児童も18歳になり、悪影響を抱えたまま成長している筈ですよね。、
 深刻だと言っていたのに、「被害」なんてたいしたことないと言われそうです。

http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000104216.html
害者は中学生が最も多く、約700人で半数以上を占め、小学生以下は185人でした。ツイッターなどで知り合った相手に脅かされるなどして、自分の裸の画像をメールなどで送らされる被害が増えているということです。厚労省は、被害を早期発見するための電話相談や児童福祉施設などで被害に遭った子どもの支援を強化する方針です。

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12198-95282/
ポルノ被害の子どもケア強化へ、厚労省が議論開始
2017年06月30日 15時26分 TBS
 ポルノ被害を受けた子どもへのケアを強化するため、厚生労働省が専門家らによる議論を始めました。
 警察庁によりますと、去年1年間に性的被害にあった子どもはおよそ1300人と、4年連続で増加しています。厚生労働省は29日、ポルノ被害を受けた子どもへのケアを強化するため、初めての委員会を開きました。今後、全国の児童自立支援施設を対象に、「被害の実態」や「ケアの内容」について調査し、保護施設における対応の『ガイドライン』を作成することにしています。(30日10:23)

1999年法
児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成十一年五月二十六日法律第五十二号)
第十五条
1 関係行政機関は、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童に対し、相互に連携を図りりつつ、その心身の状況、その置かれている環境等に応じ、当該児童がその受けた影響から身体的及び心理的に回復し、個人の尊厳を保って成長することができるよう、相談、指導、一時保護、施設への入所その他の必要な保護のための措置を適切に講ずるものとする。
2 関係行政機関は、前項の措置を講ずる場合において、同項の児童の保護のため必要があると認めるときは、その保護者に対し、相談、指導その他の措置を講ずるものとする。
(心身に有害な影響を受けた児童の保護のための体制の整備)
第十六条
国及び地方公共団体は、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童について専門的知識に基づく保護を適切に行うことができるよう、これらの児童の保護に関する調査研究の推進、これらの児童の保護を行う者の資質の向上、これらの児童が緊急に保護を必要とする場合における関係機関の連携協力体制の強化、これらの児童の保護を行う民間の団体との連携協力体制の整備等必要な体制の整備に努めるものとする。

2004年改正
第十五条
1 関係行政機関は、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童に対し、相互に連携を図りりつつ、その心身の状況、その置かれている環境等に応じ、当該児童がその受けた影響から身体的及び心理的に回復し、個人の尊厳を保って成長することができるよう、相談、指導、一時保護、施設への入所その他の必要な保護のための措置を適切に講ずるものとする。
2 関係行政機関は、前項の措置を講ずる場合において、同項の児童の保護のため必要があると認めるときは、その保護者に対し、相談、指導その他の措置を講ずるものとする。
(心身に有害な影響を受けた児童の保護のための体制の整備)
第十六条
国及び地方公共団体は、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童について専門的知識に基づく保護を適切に行うことができるよう、これらの児童の保護に関する調査研究の推進、これらの児童の保護を行う者の資質の向上、これらの児童が緊急に保護を必要とする場合における関係機関の連携協力体制の強化、これらの児童の保護を行う民間の団体との連携協力体制の整備等必要な体制の整備に努めるものとする。

2014年改正
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成二六年六月二五日法律第七九号)
第三章 心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置
(心身に有害な影響を受けた児童の保護)
第十五条  厚生労働省法務省都道府県警察、児童相談所、福祉事務所その他の国、都道府県又は市町村の関係行政機関は、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童に対し、相互に連携を図りつつ、その心身の状況、その置かれている環境等に応じ、当該児童がその受けた影響から身体的及び心理的に回復し、個人の尊厳を保って成長することができるよう、相談、指導、一時保護、施設への入所その他の必要な保護のための措置を適切に講ずるものとする。
2  前項の関係行政機関は、同項の措置を講ずる場合において、同項の児童の保護のため必要があると認めるときは、その保護者に対し、相談、指導その他の措置を講ずるものとする。
(心身に有害な影響を受けた児童の保護のための体制の整備)
第十六条  国及び地方公共団体は、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童について専門的知識に基づく保護を適切に行うことができるよう、これらの児童の保護に関する調査研究の推進、これらの児童の保護を行う者の資質の向上、これらの児童が緊急に保護を必要とする場合における関係機関の連携協力体制の強化、これらの児童の保護を行う民間の団体との連携協力体制の整備等必要な体制の整備に努めるものとする。
(心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の検証等)
第十六条の二  社会保障審議会及び犯罪被害者等施策推進会議は、相互に連携して、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の実施状況等について、当該児童の保護に関する専門的な知識経験を有する者の知見を活用しつつ、定期的に検証及び評価を行うものとする。
2  社会保障審議会又は犯罪被害者等施策推進会議は、前項の検証及び評価の結果を勘案し、必要があると認めるときは、当該児童の保護に関する施策の在り方について、それぞれ厚生労働大臣又は関係行政機関に意見を述べるものとする。
3  厚生労働大臣又は関係行政機関は、前項の意見があった場合において必要があると認めるときは、当該児童の保護を図るために必要な施策を講ずるものとする。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000169072.html
第1回社会保障審議会児童部会児童買春・児童ポルノ被害児童の保護施策に関する検証・評価専門委員会を開催します
1.日時
平成29年6月29日(木)10:00~12:00

2.場所
中央合同庁舎第5号館 共用第7会議室(6階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

3.議題
(1) 委員長選任
(2) 児童買春・児童ポルノ被害児童を巡る現状について
(3) 社会保障審議会における児童買春・児童ポルノ被害児の保護施策に関する検証・評価について

4.傍聴者数
若干名(報道関係の方も含む)
5.傍聴の申込方法
 傍聴を希望する場合は、傍聴希望者の「1.住所」、「2.氏名」、「3.職業」、「4.所属」、「5.電話番号」、「6.FAX番号」、「7.児童買春・児童ポルノ被害児童の保護施策に関する検証・評価専門委員会の傍聴を希望する旨」を記入の上、平成29年6月28日(水)12時までに、下記申込先あてにFAXでお申し込みください。また、頭撮りを希望される場合は、「頭撮り希望」とご記入願います。
 希望者が多数の場合は抽選となりますので、傍聴できない場合があります。
 申し込まれた方は、6月28日(水)18時までに当方から特段の連絡がない場合、傍聴できるものと判断してください。
 なお、傍聴される方は、別紙「傍聴される方の留意事項」を遵守してください。

  ▽ 申込先
    雇用均等・児童家庭局総務課 佐藤 (FAX:03-3595-2668)

※ 開催当日は、以下2点を必ず御持参いただき、入館の際に掲示してください。
  1.FAX送信した傍聴申込用紙
  2.顔写真付身分証明書(免許証、社員証、パスポート等)

カード等を騙し取られた場合も譲渡罪か?

 実は、現在犯罪による収益の移転防止に関する法律違反事件2件(上告事件1・控訴事件1)の弁護人です。

 関係者が居たら奥村に連絡下さい。上告事件の方で控訴審弁護人じゃなかったので提供できなかった控訴理由や資料を提供します。

 ところで、最近の通帳詐欺の判例(最決平19・7・17刑集61-5-521)
をみればわかるように、通帳・キャッシュカードも詐欺罪の客体であるところ、そのように通帳等を詐取された場合には、犯罪による収益の移転防止に関する法律28条2項の「譲り渡し」「提供」に該当しない。

犯罪による収益の移転防止に関する法律
第二十八条  
2  相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に為替取引カード等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同項と同様とする。通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、為替取引カード等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同様とする。

 本件でも、被告人が金ほしさに通帳等を氏名不詳人に譲渡・提供したものの、金をもらえなかったのであるから、被告人が騙されて譲渡・提供させられたことは明かである。

 しかるに原判決は、犯収法27条2項の譲渡・提供罪を認定している。
 この点で原判決には法令適用の誤りがあるから原判決は破棄を免れない。

コレクターが取得する程度で正当理由になるなら、騙し取られた場合は正当理由があるという構成も可能でしょう。

逐条解説 犯罪収益移転防止法(平成21年、東京法令出版)p341
「通常の商取引又は金融取引」以外の「正当な理由」としては、例えば、相続が発生し、被相続人名義の預貯金通帳等を相続人の一人が保管していたところ、遺産分割が終了し、当該預貯金を別の相続人が相続することと決まった場合において、遺産の精算過程で当該預貯金通帳等を有償で当該別の相続人に引き渡すような場合や、金融機関の合併等により、今は存在しない金融機関名の通帳等をその希少価値からコレクタ-が有償にて取得する場合等が考えられる。

犯罪による収益の移転防止に関する法律
第二八条
 他人になりすまして特定事業者(第二条第二項第一号から第十五号まで及び第三十六号に掲げる特定事業者に限る。以下この条において同じ。)との間における預貯金契約(別表第二条第二項第一号から第三十七号までに掲げる者の項の下欄に規定する預貯金契約をいう。以下この項において同じ。)に係る役務の提供を受けること又はこれを第三者にさせることを目的として、当該預貯金契約に係る預貯金通帳、預貯金の引出用のカード、預貯金の引出し又は振込みに必要な情報その他特定事業者との間における預貯金契約に係る役務の提供を受けるために必要なものとして政令で定めるもの(以下この条において「預貯金通帳等」という。)を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者も、同様とする。
2相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同項と同様とする。通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同様とする。
。。
第二八条
2相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同項と同様とする。通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同様とする。

第二九条
2相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に為替取引カード等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同項と同様とする。通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、為替取引カード等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同様とする。

第三〇条
2相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に仮想通貨交換用情報を提供した者も、同項と同様とする。通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、仮想通貨交換用情報を提供した者も、同様とする。

http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20170704000046
カード詐欺被害者が有罪に 不正譲渡認定、専門家も疑問
男性のもとに届いた融資の宣伝メール。事件も同様のメールが発端だった=写真は一部加工しています
男性のもとに届いた融資の宣伝メール。事件も同様のメールが発端だった=写真は一部加工しています
 詐欺の被害にあった滋賀県の男性が、一転して犯罪者として取り調べられ、このほど有罪判決を受けた。だまし取られたキャッシュカードが特殊詐欺に使われた結果、銀行口座を不正に譲り渡すことなどを禁じた犯罪収益移転防止法に違反したとされたためだ。専門家は、同様のケースは他にもあるとみており、詐欺グループに利用されただけの被害者を処罰することに疑問を投げかけている。

 昨年2月、家族の病気などで生活費に困っていた50代男性のスマートフォンに、融資の宣伝メールが届いた。男性が記載された連絡先に電話すると、電話口の女は「10万円融資できる」と持ち掛けた。

 女は、融資も返済も男性の銀行口座で行うので、返済金を引き出すために男性のキャッシュカードを送るよう求めた。男性は「この方法なら振込手数料がかからず、客の負担が少ないとの話には説得力があった」と振り返る。

 カードは返済が終わったら返送すると言われた。男性は東京都内の住所にカードを郵送し、暗証番号も伝えた。だが融資金は振り込まれず、相手とは連絡がつかなくなった。

 警察に相談すると、口座は特殊詐欺に使われていたことが分かった。カードをだまし取られたと訴えたが、捜査員に「被害者はあなたではない」と一蹴され、被疑者として取り調べを受けた。結局、犯罪収益移転防止法違反の罪で略式起訴され、罰金30万円の略式命令を受けた。不服を申し立て、正式な裁判で争ったが、有罪は変わらず罰金20万円とされた。

 同法は正当な理由がないのに有償でキャッシュカードなどを譲渡することを禁じている。特殊詐欺などに悪用されると知りながら、現金欲しさに自分名義の銀行口座を犯罪者集団に売り渡したとして逮捕される例は、京滋を含め全国で相次いでいる。

 今回のケースは違う。判決は、融資を受けるために使うと誤信してカードを送った、と男性がだまされたことを認定した。それでも有罪としたのは、男性がカードを送る際に融資の約束があったことをとらえ、「有償で」不正にカードを譲り渡したと判断したからだ。

 男性は「だまされたことは認めつつ罰金という判決は、どう悪いことをしたのか分かりにくい」と割り切れない思いを抱き、控訴した。

 同法に詳しい白鷗大の村岡啓一教授(刑事法)によると、同様の判決は他にもあり、略式命令で罰金を納付して終わる例も多いとみられるという。村岡教授は「一般市民を形式的に処罰しても、主犯格や詐欺グループの中枢には近づけない。経済的に弱い立場の人間がカードをだまし取られている実態を見ると、処罰は行き過ぎだ」と指摘する。

 

・犯罪収益移転防止法

 犯罪による収益が暴力団などの組織的犯罪を助長したり、被害回復が困難になったりすることを防ぐため、2007年3月に制定された。犯罪で得た収益を正当な取引に見せかけたり、出どころを隠したりすることを防ぐため、金融機関や不動産業などの特定事業者に顧客の本人確認や疑わしい取引の報告を義務づけた。口座の不正利用も禁じた。

京都府内における同一青少年に対する5回の淫行又はわいせつ行為の処断刑

 併合罪説だと、懲役の上限は1年6月、罰金刑を選択すると、250万円ということになりますが、 
 判例は包括一罪説なので、何回淫行・わいせつ行為しても「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」ということになります。
 

http://www.pref.kyoto.jp/reiki/reiki_honbun/aa30003411.html
青少年の健全な育成に関する条例
(淫いん行及びわいせつ行為の禁止)
第21条 
1何人も、青少年に対し、金品その他財産上の利益若しくは職務を供与し、若しくはそれらの供与を約束することにより、又は精神的、知的未熟若しくは情緒的不安定に乗じて、淫行又はわいせつ行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対し、淫いん行又はわいせつ行為を教え、又は見せてはならない。
(罰則)
第31条 
1第21条の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
。。。
【解説
1 本条は、青少年に対し、淫行又はわいせつ行為をすること及び当該行為を教え、又は見せることを禁止し、刑法その他関係法令では規制し得ない反社会的行為から青少年を保護しようとするものである。
なお、淫行罪及びわいせつ行為罪は、祁手方たる青少年の( 形式的な意味での) 同意又は承諾がある場合にも成立する。この点で刑法第177条の強姦罪及び第176条の強制わいせつ罪が、13歳以上の者については暴行又は脅迫による等自由な意思決定ができない状態の下での行為だけを規制対象にしているのとは異なる。
2「淫行」 とは、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲裂を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいう。
3 「わいせつ行為」とは、いたずらに性欲を刺激興奮せしめたり、その露骨な表現によって健全な常識ある一般社会人に対し、性的に蓬恥嫌悪の情をおこさせる行為をいう。

横浜地裁横須賀 H18.10.24
福岡簡裁h25.10.1

名古屋高裁金沢支部H19.3.22
 原判決は、第1~第3の青少年条例違反の罪を併合罪としているが、青少年条例違反は、青少年の健全な育成を保護法益としているのであるから、同一犯意の下に同一の青少年に対して継続的に反復してみだらな性行為をした場合には、これを包括的に観察して一罪とすべきである。
福岡高裁h26.2.26
 論旨は量刑不当の主張である。
 被告人は,当時歳の女子中学生の心身の未成熟に乗じ,単に自己の性的欲望を満足させるため,前後4回,うち3回は性交をもともなった行為を行ったものであって,包括評価されるとはいえ被害者の心身の健やかな成長を阻害する身勝手な行為を繰返したもので,犯情は悪質で,被告人の刑責を軽くみることはできない。

http://www.sankei.com/west/news/170731/wst1707310015-n1.html
逮捕容疑は6月28~30日、自宅アパートで広島県の中3女子にわいせつな行為を5回したとしている。

 同署によると、2人は動画配信サイト「ツイキャス」で今年1月ごろに知り合い、無料通信アプリ「LINE(ライン)」などでやりとりをしていた。女子生徒は6月26日に母親とけんかをして家出。翌日から男の家に身を寄せていたという。

 女子生徒が友人に「金閣寺の周辺にいる」と連絡したことなどから居場所が判明。北署員が6月30日、女子生徒を保護した。

2号ポルノにつき「他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、、性欲を興奮させ又は刺激するもの」という公訴事実の記載方法


 2条3項に児童ポルノの定義があって、

第二条(定義)
3この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

 ハメ撮り事案でこういう起訴状が出て、

起訴状
公訴事実
平成29年6月30日午後2時52分ころ、場所において,児童Aに被告人の陰茎を口淫させる姿態,同児童の乳首を被告人が手指で触る等の姿態及び同児童の乳房を露出させる姿態をとらせ, これらを被告人の使用する動画撮影機能付き携帯電話機で撮影し,その動画データ合計1点を同携帯電話機本体の内臓記録装置に記録させて保存し, もって児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態並びに他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態及び衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造したものである。

 ちょっといちゃもんを付けたら、こういう訴因変更請求が出たんだ。

訴因変更請求書
起訴状記載の公訴事実8行目「着けない児童の姿態であって」の後に, 「,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ, 」を追加する。
・・・
変更後の訴因
公訴事実
平成29年6月30日午後2時52分ころ、場所において,同児童に被告人の陰茎を口淫させる姿態,同児童の乳首を被告人が手指で触る等の姿態及び同児童の乳房を露出させる姿態をとらせ, これらを被告人の使用する動画撮影機能付き携帯電話機で撮影し,その動画データ合計1点を同携帯電話機本体の内臓記録装置に記録させて保存し, もって児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態並びに他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態及び衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造したものである。

①児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態
並びに
②他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態及び③衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造したものである。
でいいのか。

ん?
 これだと、「他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態」にも「殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するもの」が掛かってきますが、2号ポルノについては「殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,」は不要です。
 曲解して「他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態」には「殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するもの」が掛からないとすると、2号の要件を満たさないことになる。
 しばらく黙っていよう。

「乳がん検診で医師が盗撮」はわいせつ行為(刑法178条1項)か

[性犯罪] 「乳がん検診で医師が盗撮」はわいせつ行為(刑法178条1項)か

 判例は「客観的に被害者の性的自由を侵害する行為がなされ,犯人がその旨認識していれば,犯人に性的意図が認められないにしても,強制わいせつ罪が成立する(大阪高裁H28.10.27)」なんていうのですが、「乳がん検診で医師が盗撮」というのも被害者に言わせれば「被害者の性的自由を侵害する行為がなされた」と言うわけで、「客観的に被害者の性的自由を侵害する行為ではない」とは言えないでしょう。
 従前、著しくしゅう恥させる行為というのは強制わいせつ罪の守備範囲外ということで、条例で補ってきたわけですが、わいせつ行為に「性的自由」を取り込むと、著しくしゅう恥させる行為は、だいたい、強制わいせつ罪ということになりますよね。
 条例で法律を解釈するというのは間違っているのですが、強制わいせつ罪の解釈変更の影響として指摘しておきます。

 学説も定まってないようです。

佐藤陽子説。。。客観的に正当な治療行為であれば処罰されない

佐藤陽子「強制わいせつ罪におけるわいせつ概念について」 法律時報2016.10
小特集 性犯罪処罰の基本問題
本稿のように、性的意図をわいせつな行為の一考慮要素とすれば、①治療行為や②フェティシズム行為において、性的意図がどのような影響を与えるかが問題になろう。
①我が国の裁判例においては、治療行為についても性的意図を重視する傾向にあるように思われる45)。しかし、治療行為は社会通念上、およそ性的性質を有さないであろう。同じ陰部に指を挿入する行為であっても、婦人科医が診察行為としてそれを行う場合はもはや社会的評価が異なるといえる。さもなければ、客観的に全く正当な治療行為46)をおこなった医師に犯罪が成立しうることになるだろう。確かに、仮に行為者の性的意図が被害者に明らかになれば、被害者の蓋恥心が著しく害されることになるだろうが47)、内心に性的意図が隠れていることだけを理由として、客観的に正当な治療行為を処罰することは不当であろう48)。

佐伯仁志説・・・正当な治療行為も猥褻にあたる

佐伯仁志「強制猥褻罪における猥褻概念」判例タイムズ 第40巻29号
必要説には以下のような根拠が考えられるが、いずれも充分なものではないと思われる。
第三に、保護法益を性的自由と解しながら、強制猥褻罪の成立には法益侵害に加えて行為者の性的意図が必要であるとする(17)見解があるが、強制猥褻罪に限ってこのような「書かれていない構成要件要素」が必要な理由が明らかでない。この見解は、治療目的や懲戒目的の場合を猥褻行為から排除しよういう意図を{18)もつのかもしれない。しかし、客観的に治療行為、懲戒行為とみられる行為の違法性が、行為者の意図によって左右されるのは妥当でない。
もし左右されるという立場に立ったとしても、正当化事由の主観的正当化要素として構成すれば足り、強制猥褻罪一般について性的意図を要求する理由とはならないであろう。


青柳文雄説・・・医師が婦人の診察に当ってその主観的な性的傾向が行為者を行為へと導いた場合にはじめて猥褻罪を構成する

青柳文雄「傾向犯について」法学研究三六巻四号(昭38) P2
傾向犯の例として一般に引用されるのは猥褻罪の例であって、医師が婦人の診察に当ってその主観的な性的傾向が行為者を行為へと導いた場合にはじめて猥褻罪を構成すると論じられる。しかし、このような特殊の場合にだけ猥褻罪が傾向犯になるのであって一般の差恥感情を害することを処罰する猥褻罪全部が傾向犯なのではない

http://www.sanspo.com/geino/news/20170628/tro17062818310013-n1.html
乳がん検診で医師が盗撮 スマホから上半身裸の女性の画像、当日は150人診察

 大阪府岸和田市で27日にあった市職員向けの乳がん検診で、担当した40代の男性医師が受診者をスマートフォンで盗撮したことが28日、市や岸和田署への取材で分かった。スマホに画像が残されており、署の調べに盗撮を認めたという。

 岸和田署は、府迷惑防止条例軽犯罪法に違反した疑いがあるとみて捜査している。